今後ますます注目!? リスク管理の国際資格「CERA」


2009年に世界12か国、13のアクチュアリー会によって認定されたエンタープライズ・リスクマネジメント(ERM)の専門資格、CERA(Chartered Enterprise Risk Analyst)。

日本のほかに、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデン、スイス、台湾、インド、イスラエル、南アフリカが、協定書に加盟し、CERA資格をとると、12か国ではその国のCERA資格保持者と同じ「リスクマネジメントの専門家」として認められます。

現在、日本での資格取得者は19名(2014年3月時点)。取得によってリスク管理の知識が深まるとともに国際的な活躍の幅が広がることから、今後、受験者が伸びていくといわれています。

2011年9月末には、日本アクチュアリー会を通じてCERA資格認定が行われるようになり、資格取得には次の要件を満たすことが求められます。

1、日本アクチュアリー会の正会員であること
2、IFA(Institute and Faculty of Actuaries:英国アクチュアリー会)のST9試験を利用したCERA試験に合格すること
3、日本アクチュアリー会が定めるCERA研修を修了すること

難易度が高いのは、イギリスの試験を利用するため、試験問題がすべて英文であること。日本で問題を作成するとなると、その試験問題が“CERA試験”として適切かどうか、各国のアクチュアリー会の理事会メンバーから承認をもらわなくてはいけません。それに時間を要してしまうため、既にCERA試験として承認済みのIFA(英国アクチュアリー会)のST9試験を使い、できるだけ早く、多くのアクチュアリーがCERA資格を付与されるようにと考えられているのです(回答は日本語です)。

ちなみに、CERAの受験料は50,000円。勉強するには、イギリスの会社からST9試験の教材一式を購入する必要があり、こちらが305ポンド(1ポンド180円計算で、54,900円)。10万円程度を用意する必要がありそうです。

日本でのCERA資格認定が始まった最初の年、合格率15%を突破して資格取得した藤澤陽介さん(RGA:リインシュアランスカンパニー日本支店)は、「CERAの教育体系は非常にしっかりしていて勉強しやすい」と話します。

「イギリスの教材を使って勉強しましたが、必要な知識の量と質ともに、何をどこまで勉強すれば合格する、という道筋がとても体系立てて作られています。アクチュアリアル・サイエンスを基礎とするカリキュラムを理解していくうちに、アクチュアリーの仕事の理解も深まっていくのです。リスク管理をより体系的に学びたい方は、ぜひチャレンジすることをオススメします」。

参照:公益社団法人 日本アクチュアリー会
http://www.actuaries.jp/index.html

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