アクチュアリーとは


どんな仕事をする人か?

アクチュアリーとは、リスク分析や評価などを行う年金数理や保険数理の専門家のこと。
例えば、保険会社や信託銀行などで、保険や年金の料率計算、決算などにかかわる保険数理・年金数理業務を担当したり、商品開発、リスク管理分析、長期計画の策定などに関わります。

生命保険の料率計算でいえば、将来のあらゆる出来事・リスクの発生確率を計算し、リスクが生じたとしたら、その影響をできるだけ軽減するために知恵を絞るプロフェッショナルだと言えます。

ほかにも、証券会社やコンサルティング会社、監査法人、再保険会社などでも活躍している方が多く、保険や年金の分野だけではなく、企業の資産運用・評価、デリバティブ商品のプライシング、市場リスク、信用リスクなど、あらゆる不確定リスクの測定を担っています。

海外では人気職種

日本では、まだまだ知名度が高くないアクチュアリーですが、海外では国際的な専門職として人気も地位も高い職種。アメリカでは、例年、人気職業ランキングのTOP5に入り、医師や弁護士と並んでいます。

欧米と日本のアクチュアリーの違いについて、アクサダイレクト生命の商品開発部長で日本アクチュアリー会正会員の西林信幸さんはこう話します。
「日本には約5000人のアクチュアリーがいますが、その大半は企業に勤めているサラリーマン。新卒のアクチュアリー採用という枠もあり、企業が自社でアクチュアリーを育て、抱えている構造が一般的です。一方、アメリカを始め諸外国では、アクチュアリーの資格を取得したら、いち早く会社を飛び出すのが一般的。専門的で強い武器を持った個人事業主として“アクチュアリーのコンサルタント”として活躍します。各保険会社に商品開発の提案に回り、案件ごとの報酬が生まれるため、日本よりも年収が高いんです。欧米の方と話すと『君はなぜアクチュアリー正会員なのに、組織に属しているんだ』と不思議がられますね(笑)。日本ではほぼすべての大手保険企業に自社のアクチュアリーがいるので、仮に今後、欧米のスタイルに移行していくとしても、時間がかかるでしょう」

アクチュアリーになるために

アクチュアリーになるには、日本アクチュアリー会(http://www.actuaries.jp/)が行う資格試験に合格する必要があります。
1次試験では、「数学」「生保数理」「損保数理」「年金数理」「会計・経済・投資理論」の5科目のうち1科目以上合格で研究会員、5科目合格で準会員、2次試験は生保・損保・年金の3コースに分かれており、いずれかのコースで2科目合格することにより正会員になれます。

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