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大谷幸宏
【会計士・税理士転職コラム】転職時に「経験」は評価されない?

2014.02.12

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「会計士」と呼ばれる人の実に8~9割が監査法人で監査について何かしらの経験を積んでいます。会計士試験に合格したら、「監査法人に就職するのが当たり前」という風潮が強かったためです。ここで経験を積み、その後、キャリアアップとして転職の道を探すというケースが多いようです。会計士の転職状況でいうと、こうした流れが大半を占めるのではないでしょうか。
転職前に経験した「キャリア」は転職時にどこまで評価されるものなのでしょう。結論から言うと、監査の経験はあまり評価されないのが実情です。
 
ただしこれは、他業界へ転職する場合に限ります。転職先で監査の経験をそのまま生かすのが難しいケースが多いためです。監査実務の経験があまり評価されることはありません。もちろん監査業界から監査業界へ転職する場合、これまでの経験は十分に評価されるでしょう。
 
例えば監査法人で10年間の経験を積んだ人が一般企業に転職したとします。もちろん業務は「経理」。このような状況でも、その人の経験は「財務分析のスペシャリスト」として評価されます。必ずしも企業が求める「経理のスペシャリスト」ではないのです。
 
コンサルティングファームや金融機関に転職する場合も同様です。監査法人での経験はそれ以上でもそれ以下でもありません。あくまで監査の経験に過ぎないのです。
 
転職時に評価されるのは過去の経験ではありません。転職先で就く予定の業務をいかにこなせるかを示す「経験値」なのです。
 
もし監査業界から他業界へ転職するなら、自分のキャリアが転職先でどのように活かせるのかをきちんと検証・評価すべきでしょう。一般企業の経理部門に転職するのではあれば、出向として監査法人から一般企業で経験を積んでおくのも一案でしょう。
 
転職に対する姿勢も重要です。「監査に飽きたから他業界で働きたい」という理由はもちろん通用しません。「会社の経営を握る当事者として財務諸表の作成にあたりたい」「企業経営に参画したい」などのビジョンを掲げるのが好ましいでしょう。自身の目指すべき道、スタンスを明確にして転職活動に臨む必要があるのです。
 
もし他業界へ転職するのなら、経験よりもポテンシャルを評価してもらえる20代が有利です。30代になると監査の経験よりも、それ以外にどんな評価ポイントがあるのかが転職の可否を大きく左右するでしょう。
 
もし今後、他業界への転職を考えているなら、20代のときから自身の経験が他業界でどのように活かせるのか、きちんと整理して働くことをお勧めします。
(文:VRPスタッフ)

大谷幸宏 プロフィール

大学卒業後、金融機関にて法人営業職を経験し、98年に管理部門に特化した株式会社日本MSセンター(現:MS-ジャパン)へ入社。東京本部の立ち上げを行うなど、現在の同社の基盤を作る。2004年に国内最大規模のヘッドハンティング会社、サーチファーム・ジャパン株式会社よりスカウトを受け、エグゼクティブサーチ業界へ。 同社入社後も数多くの結果を残し、入社2年でパートナーへ昇進。2007年11月に株式会社VRPパートナーズを設立、代表取締役に就任。18年間のキャリアにおいて、2万人以上の転職者との面談実績を持ち、入社後の定着率は95%以上とサーチ業界内においてもトップクラスの実績を誇る。2014年に日本アクチュアリー会の会員に。

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