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大谷幸宏
お医者さんのお金、しっかりしたサポートを

2014.05.16

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昨年、医療グループの政治献金問題が話題となりました。
今回は、献金問題とは直接関係はありませんが、会計人の皆さんから見た「お医者さんの金銭感覚」についてお話したいと思います。
 
税理士の中に、医院コンサルティングを専門としている方がいらっしゃることからもわかるように、お医者さんの税務会計業務には確かなニーズがあります。税務会計だけではなく、医療法人の設立、人事、増患・集患のマーケティング戦略等も扱っている方が多いようです。お医者さんには比較的経済的に裕福な方が多く、開業医では子息への事業承継を検討する方もいるため、会計関連業務には広がりがあります。
 
とはいえ、「経営者」としてのお医者さんは結構な難物。医院の会計業務に強いある税理士は、お医者さんについてこう評していました。
「自分とまったく関係のない分野で頭のいい人」。
 
医療のプロであっても、経営の数字については、事業会社の経営者と比べても著しく知識がない人が多いというのです。この税理士は、自計化推進に力を入れています。ほとんどの顧問先の事業会社で達成しているとのことですが、自計化がままならない業種として、医院を挙げていました。
もちろん規模の小さい事業者であれば自計化は難しい面はありますし、会計に全く無頓着であれば、税理士がしっかり記帳代行を行えば問題はありません。
しかし、会計に興味がなくても税金はなるべく安くしたいのも人情。「とにかく、税金を安くして欲しい」という一方的な依頼をするお医者さんも多いとのこと。また、自計化をしている医院では、奥様が経理担当者となっている場合が多いのも特徴。お医者さんはお金について恬淡としているものの、奥様からの突き上げが激しいというケースもあるようです。
 
このような「需要」につけこむのが無資格の脱税ブローカーです。「税理士に任せても税金は安くなりませんよ」と甘い言葉でお医者さんに近づいてきます。税金の知識が乏しいと、このような誘いに対し「怪しいのでは」という歯止めが効かず、事の重大さに気づかないまま、簡単に税務を任せてしまいます。
1997年ころ、プロ野球選手でブローカーが絡んだ巨額脱税事件がありましたが、比較的お金がある他分野の専門家ということで、狙われた原因は共通しているものと思われます。
脱税に手を染めれば「言われたままにやっただけ」という言い訳は通用しません。刑事的、社会的に大きな制裁を受けることになります。脱税だけではなく、詐欺的な投資案件に手を出して穴を開けてしまうお医者さんも多いと聞きます。
 
お医者さんをクライアントにする会計人の方々は、お医者さんの独特な金銭感覚も考慮しながら、種々のリスクを低減する総合的なお金に関するサポートを行う必要がありそうです。
(文:VRPスタッフ)

大谷幸宏 プロフィール

大学卒業後、金融機関にて法人営業職を経験し、98年に管理部門に特化した株式会社日本MSセンター(現:MS-ジャパン)へ入社。東京本部の立ち上げを行うなど、現在の同社の基盤を作る。2004年に国内最大規模のヘッドハンティング会社、サーチファーム・ジャパン株式会社よりスカウトを受け、エグゼクティブサーチ業界へ。 同社入社後も数多くの結果を残し、入社2年でパートナーへ昇進。2007年11月に株式会社VRPパートナーズを設立、代表取締役に就任。18年間のキャリアにおいて、2万人以上の転職者との面談実績を持ち、入社後の定着率は95%以上とサーチ業界内においてもトップクラスの実績を誇る。2014年に日本アクチュアリー会の会員に。

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