気になるニュース(2025年5月)


4月に引き続き5月に気になったニュースを幾つかピックアップいたします。
内容はすべて単なる個人的な見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。
 スケジュールの関係で、4月下旬のニュースが含まれている場合がありますことを何卒ご容赦ください。

1.金利上昇、含み損、基礎利益
 GW明けの5月7日、ついに「40年国債利回り」が3%を突破し、金利上昇基調がさらに加速しそうな勢いかもしれません。
また、昨年度決算では、外債運用の失敗で農林中金が過去最大の赤字を出してしまったことも記憶に新しいところです。
残念ながら、生命保険業界も同じ経路を追随しているようでして、大手生保4社の国内債含み損が8兆超となり、1年前から4倍に拡大した模様です。

 一方、「本業のもうけ」を示す基礎利益については、4社とも最高益でして、含み損となる反面、運用が好調であり、当該利益も最高額に達した模様です。
なお、来年3月期決算から、ESR(経済価値ベースのソルベンシー規制)が導入されるため、これらの含み損を踏まえたソルベンシー・マージンを評価せざるを得ないため、今年度末決算に向けて各社がどのような戦略を講じるかが大いに注目されそうですね。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-05-26/SWUUXJIB3KZK00

2.ルール違反の27円寄付?

 8兆円超のニュースの次に位置付けるのは何とも忍びないですが、某小学校で各家庭者から集めた教材費の余剰金27円を無断でユニセフに寄付し、教育委員会から指導された模様です。
 金額の多寡が問題ではなく、あくまでも、余剰金の使途を事前に保護者に説明しなかっらことが原因のようですが、27円以上の労力をかけた戦いになることは間違いないようですね。
 某有名芸能人の不倫問題など、本当に世知辛い世の中になりました。
https://mainichi.jp/graphs/20250504/mpj/00m/040/010000f/20250504mpj00m040009000p

3.損保決算でも

 上記1.に関連して、損害保険業界でも昨年度決算が好調だったようでして、その要因は資産運用の奏功にあるようです。
ご案内の通り、生命保険会社と異なり損害保険会社では、保険期間1年更新型の保険契約が多いため、責任準備金(≒運用資産)のボリュームが通常、大きくはないのですが、とはいえ、ソコソコの保有契約高のお陰で潤沢な運用資産に恵まれているのも事実のようです。

 実際、福岡大学の植村信保先生のブログでは、損害保険業界の分析レポートが(金融庁?)から公開された際、“損保の最大リスクは資産運用リスク?”と指摘されて、本業の損害保険リスク(例.自然災害リスクなど)以上に資産運用リスクを抱えていることが特記されていました。

 もっとも、欧米では、通常の保険引き受けリスクは再保険などをフル活用しながら、実際の収益は資産運用で賄うということも前職などで伺った記憶もありますので、日本の保険市場が、やはり海外に比べてある種の異様さを放っているようにも思われますね。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB145PO0U5A510C2000000/

4.本当の貧しさとは?

 ウルグアイのムヒカ元大統領が逝去された模様です。国連演説(=本当の貧しさとは、いくら稼いでも満足しない心の貧しさを指すのだ)でも有名な方でしたが、「世界一貧しい大統領」というキャッチフレーズも印象的です。
先日、テレワーク勤務の合間に日本テレビの朝の情報番組をチラ見した際、元NHKアナウンサーがムヒカ氏について、「若いころ反政府軍として武闘派の一面も。ただし貧困層の救済が目的だった。」とコメントされていたのがとても印象的でした。

 個人的には、来日時に絵葉書の1枚すら買わずに帰国されたエピソードも生涯忘れることはないでしょう。
収入の9割を寄付するなど、どこかの国の政治家先生には絶対真似できない(失礼!)生き方は、大いに見習うべきと感じます。合掌。
https://www.bbc.com/japanese/articles/c4g7l5r10y9o

5.7月5日は仏滅

 以前の勤務先で社内斡旋品を購入しようとしたところ、卓上カレンダーから「六輝(六曜)」を廃止した旨の注釈がカタログに記載されていたのを覚えています。
今年1月の当コラムでもご紹介いたしましたが、いよいよ、たつき諒氏の「私が見た未来」の7月5日が近づいて来ましたね。

 念のため、「六輝(六曜)」が印字された卓上カレンダーを見たところ、当日は仏滅でした。「六輝(六曜)」と同様に、迷信の類であることを願ってやみません。
https://mainichi.jp/articles/20250514/k00/00m/040/128000c

6.忘れたころにやってくるモノ

 新型コロナは、間違いなく「テレワーク勤務」普及に大いなる貢献をしましたが、幸い、日本においては、某大学教授曰く“さざなみ”レベルに収まったこともあり、最近ではあまりニュースにならないような気がします。

 しかし、海を越えたアジア地域では、依然猛威を振るっているようでして、実際、香港では陽性率が13%超えなど、余談を許さない模様です。
上記5.と同様に、南海トラフ地震などで危機感を募らせること自体は、決して悪いことではありませんが、あまりにも「一点集中し過ぎる」ことで、多様化するリスクイベントを忘れがちになることは、くれぐれも避けたいところですね。
https://www.kangnamtimes.com/ja/report/article/504750/

7.忘れずにやってくるモノ?

 賞与(ボーナス)と言えば、サラリーパーソンにとって決して忘れることのできないものですが、大昔、筆者が大学生だったころ、夕方のニュース番組でフジテレビ系列のアナウンサーが賞与支給日に、“会社員として、このために働いているといっても過言ではない”と豪語されていたのがとても印象的でした。

 一方、最近の若い方々のお金に対する意識としては、賞与や退職金は当てにせず、毎月の給料(=確実に身近に稼げる財源)をより重視する傾向もあるようでして、日本を代表する“感動寿命延伸企業”が冬の賞与を廃止して、「賞与の給与化」を図る模様です。

 もっとも、賞与事態は、本来、前年度の業績の好調度合いによって変動する性質のものであり、決して固定されたものではないかもしれませんので、若い人ほど給与重視というスタンスには大いに納得させられますね。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC021CE0S5A500C2000000/

8.パブリックコメントの存在危機?

 SNSで例文を拡散してまで、特定の意見集約を図ろうとする動きがこれまでみられた模様です。
 具体的な数値データは参照URLをご覧いただければと存じますが、結論ありきの行政手法は決して許されるものではありませんね。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250504-OYT1T50090/

9.ホウレンソウ vs チンゲンサイ

 筆者が社会人デビューした1994年当時、入社時研修で盛んに人事部門から連呼されたキーワードの1つに「ホウレンソウ」がありました。
具体的には、報告、連絡、相談の略でして、特に、新社会人としてついつい忘れがちなビジネスマナーを指すようでして、一説には某証券会社の“偉いさん”が発案した言葉とも評されているようです。

 一方、「チンゲンサイ」というビジネス用語もあり、具体的には、チン(沈黙)、ゲン(限界まで言わない)、サイ(最後まで我慢)を意味するようで、最近流行りの“働いた者負け”、“出世したくない症候群”という傾向を端的に表しているかもしれません。

 なお、記事中、部下向けのビジネス用語「コマツナ」もなかなか興味深いです。
自分自身、勤務先で「使える人材」でいつまでもありたいと切に願うばかりです。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD016PG0R00C25A5000000/

10.中華料理店の閉店
 最後に私事を挟みながらの回顧をお許しください。
 筆者は10年くらい前に、日比谷方面で監査法人に勤務しておりまして、入所(注.監査法人は入社ではなく入所という単語を使用。事務所の「所」が由来)時に、聘珍樓で豪華な食事を御馳走になった古き良き思い出があります。
 フットサルコートも懐かしいです。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025052100927&g=eco#goog_rewarded

いかがでしたか。GWも終わり、いよいよ新年度が本格的にスタートした感もありますが、金利上昇傾向がいつまで続くのか、年度末決算を終えても、引き続き決算部門がハラハラする時間は当分、続きそうですね。


(ペンネーム:活用算方)

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