気になるニュース(2025年8月)


7月に引き続き8月に気になったニュースを幾つかピックアップいたします。
内容はすべて単なる個人的な見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。
スケジュールの関係で、7月下旬のニュースが含まれている場合がありますことを何卒ご容赦ください。

1.出向廃止

一連の情報漏えい問題を受ける形で、生保協会長会社(4社)から銀行などへの営業目的での出向を原則、廃止する方針となった模様です。
伝統的な営業職員チャネルによる販売が芳しくない状況下では、このような金融機関代理店の存在は(保険会社にとって)大変貴重なものと考えられますが、このことと個人情報を無断で漏洩させることの正当性は、もちろん、全くの別物と言えるでしょう。

保険代理店に対する便宜供与など、これを機に「不適切な関係」が一層排除されることを、業界関係者の一人として説に願うばかりです。
そもそも、フィービジネスに舵を切らざるを得ない銀行は、自らが切磋琢磨しながら、自助努力に努めるとともに、新たな収益獲得機会を目指す必要があることは言うまでもありません。
https://www.47news.jp/13062108.html

2.証拠消滅

上記の1.に関連して、証拠隠滅ともいうべき事案が生じた模様です。
具体的には、勤務先のノートパソコンから該当ファイルを(意図的に)削除した模様ですが、残念ながら(?)データ自体は削除されていなかったようですが。
当事者として、“つい出来心で”という感覚かもしれませんが、パソコン内部の仕掛けは、deleteキーを押すだけでデータが消えるほど単純ではなく、サーバー上のデータを消去しなければ「削除」できないということを一生忘れないでしょう。
結局、全てをありのままに正直に白状することが、長い目で見た場合、最良の解決策と言えるような気がします。
https://www.asahi.com/articles/AST881QQNT88ULFA007M.html?iref=pc_ss_date_article

3.夏の風物詩(その1)

留まることを知らない物価上昇に給与などが追い付かない現象が続いていますが、新米価格などに加えて、夏の風物詩である「冷やし中華」にも、その余波が押し寄せています。
以前、筆者が生命保険会社の商品部門に在籍していた際、突如社長に呼び出されて、「“冷やし中華始めました”、という記載はあっても、“冷やし中華終わりました”という記載は見たことがないので、生命保険商品を売り止めても周知不要では?」と聞かれてしまい、困惑した苦い思い出があります(笑)
https://mainichi.jp/articles/20250821/k00/00m/020/112000c

4.夏の風物詩(その2)

夏といえば高校野球が代表的な風物詩ですが、今年は色々な意味で、記憶に残るものとなってしまいました。
罰則規定がない「飲酒・喫煙」で甲子園出場を辞退した前例があるにも関わらず、罰則規定のある「(性)暴力」で辞退しないことが、そもそも公平性を著しく欠くことが分かっていないという鋭いコメントが印象的でした。

残念ながら、本件を擁護する元プロ野球OB(H氏)も登場し、暴力を容認するようなご発言があったことは非常に残念ですが、当該発言を速攻で削除してしまう、マスコミの「忖度」には、相変わらず呆れるばかりです。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/429447

5.保険金支払い準備金!?

記事の本文をよく読めば、“保険販売が伸びた生保では保険金の支払いに備える責任準備金の負担が増えた”とありますので、誤解はないものと思われますが、そもそも、生命保険会社に関するニュース見出しに『保険金支払い準備金』という語句を見ると、ついついアクチュアリー正会員の血が騒ぎます(笑)。
まあ、天下の『日経新聞』が誤字脱字の類を起こすことはないのでしょうが。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB135M70T10C25A8000000/

6.金融庁再編

金融庁が創設されてから少し時間が経過した際、地上波のインタビューで当時の同庁長官に対し、「(行政の取り締まりが厳しいとの声を受け)『金融「処分」庁』という声もちらほら聞かれるのだがどうか?」という、なかなか辛辣な質問が出たことに驚きました。
もっとも、暗号資産など、一昔前の金融行政では、もはや立ち行かなくなってしまった現状では、このような“分業監督制度の導入”も止む無しでしょう。

くれぐれも、単なる“ポストづくり”というお題目のパフォーマンスでないことを、納税者の一人としては切に願うばかりです。
https://www.47news.jp/13041710.html

7.リスクテイク!?

NISAが拡大されるようですが、資産運用リスクがどこまで周知徹底されているかが心配です。
ITリテラシー同様、金融リテラシーも学校教育に導入すべき時期が到来しているのかもしれませんね。
https://www.sankei.com/article/20250826-L2NPIKUAXFNEFPM5KH37GRW6TU/

8.スマホなどの使用時間も条例に

青少年の健全な育成に資するために、この度、スマホなどの使用時間について、一日当たりの上限を制定!という感じで、政治家の方々から意気揚々と自信たっぷりの宣言が聞こえてきそうです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250825/k10014902941000.html

以前、香川県で採択された「ゲーム時間条例」が合憲とされたこともあり、ある種の「追い風」となった面もあるかもしれませんが、罰則規定のないルール化に、果たしてどこまで効力があるのでしょうか?
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE016L70R01C22A1000000/#:~:text=%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%88%A9%E7%94%A8%E6%99%82%E9%96%93,%E3%81%8C1%E6%97%A5%E3%80%81%E5%88%86%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82

なお、筆者が大学受験生の頃、某東北地方都市で『大人の動画』に対する“3分間ルール”なるものが真剣に議論された記憶があります。
政治家の先生方、もう少しやるべき仕事が他にあるように思います。

9.千葉県知事は大丈夫か!?

一連の「ホームタウン問題」は、ナイジェリアのホームページ改定という形で「一応の」決着をみた感じですが、果たして、真実は何だったのか非常に気になります。
少なくとも、正当な理由なく我が国の領土を他国に移譲することは、決してあってはなりませんが、人口減少の時代に生き残る道標を明確にすべきな感覚もあります。
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202508270000413.html
https://www.sankei.com/article/20250826-TJ4O2PLJW5MXFCI6JZSWYF7Z2E/

10.50億円!

筆者がこれまで見聞きした訴訟では、発行ダイオードの200億円訴訟が最も高額ですが、一連のフジテレビ問題で巨額の訴訟が起こされました。
もちろん、弁護士などを交えながら、被害額の算定を行ったものと思われますが、僅か二人だけの責務に決めつけることに、果たしてどこまでの合理性があるのか甚だ疑問に感じます。
当時の経営陣全体に対して責任を問うのであれば、まだ納得感があるのですが、やはりこちらも「忖度」かもしれませんね。
https://www.asahi.com/edu/nie/kiji/kiji/TKY200402160127.html
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000449416.html

いかがでしたか。いよいよ9月を迎えて、自民党総裁選の前倒しなど、政治の世界にも慌ただしさが到来する時期になりました。特に、アクチュアリー試験の受験生におかれましても、いよいよラストスパートの時期がもうすぐ到来しますので、是非、ムリ・ムラ・ムダのない学習計画をしっかりと立てて欲しいところです。


(ペンネーム:活用算方)

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