気になるニュース(2025年10月)


9月に引き続き10月に気になったニュースを幾つかピックアップいたします。
内容はすべて単なる個人的な見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。
スケジュールの関係で、9月下旬のニュースが含まれている場合がありますことを何卒ご容赦ください。

1.大学院にも一貫教育!?

大学の学部と大学院修士課程を合わせた計5年一貫教育を文部科学省が制度化する方針を固めた模様です。
いわゆる“飛び級制度”を活用して、学部から修正過程まで1年省略する動きがあり、それに合わせて、公益社団法人日本アクチュアリー会の資格試験制度(いわゆる『アクチュアリー試験』)においても、“飛び級制度”に合わせた資格試験制度のルール改正等にも着手されてきたようですが、本件制度の導入で、今後どのような新制度が導入されるのかが、大変興味あるところです。

それにしても、相変わらずの“学歴社会”は果たしていつまで続くのでしょうか?
世界の富裕層では、子供たちに(敢えて)学校に行かせない風潮もあるようでして、21世紀の教育論が、20世紀と比べて大きく様変わりしているようにも思います。
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20251007-OYT1T50261/

2.ノーベル賞

毎年この時期になると話題になるノーベル賞ですが、今年は複数の日本人が受賞され、うれしいニュースが多い年になりました。
特に、これまで受賞者が輩出されなかった、大阪大学で受賞者が出たことは、同大学にとっても大変誇らしいイベントのように思います。
実は、筆者も同大学に大変お世話になったのですが、卒業名簿を拝見した際、“京大でノーベル賞を受賞された故・湯川秀樹先生も、学生時代は阪大で過ごした”旨の記述があり、学会界隈でも、このような“受賞者輩出”には、それなりの“プライド”があるのだなあとしみじみ感じ入っている次第です。

オリンピック憲章と同様、(ノーベル賞、金メダル等の競争は)国と国との闘いではないという点も、注目される必要があるようにも思います。
(余談)ノーベル数学賞がない理由については、『谷山豊全集』に記述があるのですが、またの機会にコラムにします。
https://www.nikkei.com/topics/18092500

3.初の女性総理大臣!

日本における憲政史上、初の女性総理大臣の誕生です!
石破政権の末期には、公明党の連立政権からの離脱など、様々な動きが(水面下を含めて)あった模様ですが、トランプ大統領訪日を含めて、まずは、順調なスタートと言えるかもしれません。
それにしても、“サナエノミクス”効果(?)で、ついに、日経平均株価が5万円を突破するなど、この調子で日本の経済状況が好転することが大いに期待されますね。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/91377

4.退任理由

日本の保険会社は、保険業法に基づく免許事業会社だが、長年の経営においては、様々な不祥事(例.保険料費消事故、不適正募集など)が残念ながら散見されます。
また、ごく一部の会社を除いて業務停止命令が出されることは稀でも、業務改善命令が出されることはそれほど稀ではないようです(失礼!)
今回、この改善命令などを契機として、保険持株会社のトップが退任されるようですが、「事実上の引責辞任」とのご判断は、ある意味で英断と言えるかもしれません。

筆者は、残念ながら、故・キヨ坂口氏にお目にかかる機会に恵まれませんでしたが、永田町にあるプルデンシャルタワーの足元にある同氏の「お庭」を拝見する度、同社の崇高な理念に改めて敬服する日々を感じています。合掌!
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025101400841&g=eco#goog_rewarded

5.老外!?

田原総一朗さんといえば、恐らく、日本のマスメディア史上唯一のジャーナリスト兼討論番組の名司会者といっても過言ではない華々しい歴史の持ち主です。
特に、ご自身の回顧録などでも、“天皇(陛下)の戦争責任を地上波で初めて真正面から取り上げたことに自負を持っている”とのジャーナリズム精神を披露されているようですが、残念ながら、後に続くジャーナリストはいないように思います。
その地上波ではありませんが、BS朝日での討論番組が終了されることとなりました。

打ち切りの原因は、番組内での同氏の不適切発言が理由のようですが、有名な『朝まで生テレビ』とは異なり、収録番組であったにも関わらず、当該発言が残ったことで、取締役会で打ち切りが決まったようです。
もっとも、編集作業を怠った番組責任者などの方が、ある意味、罪が重いのかもしれませんが、生放送ならともかく、収録でこの結果は、悪意があると思わざるを得なません。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025102401032&g=soc

6.もう無理!?

なにかと話題の「退職代行サービス会社」ですが、弁護士法違反容疑で家宅捜索された会社が出た模様です。
別の報道では、同社社長が違法性を認識していたという記事もありますが、退職希望者にとっては、まさに救世主である当該団体には、ずっと残って欲しいところです。
笑い話で茶化すつもりはありませんが、くれぐれも、会社経営自体が「もう無理」とならないようにして欲しいですね。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025102401012&g=eco

7.業務提携

小売業最大手と大手生保との業務提携です。
既に今年3月に資本業務提携を発表され、旧イオン・アリアンツ生命も当該生保の傘下に入りましたので、保険契約者の方々もさぞかし“ホット一安心”という感じかもしれません。
特に、日本におけるクレジットカード発行枚数では、圧倒的な枚数を誇る小売業が、大手生保とタッグを組んで、今後どのような戦略を練ってくるのか、大いに注目されるところです。
https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=123&ng=DGXZQOUB190LH0Z11C25A0000000

8.「テリトリー制度」の終焉

保険代理店問題は、保険料談合問題と合わせて、保険業界における昨年の大きな目玉ニュースでした。
ついに、来春にも、保険会社の代理店が特定の会社の商品を推奨することを禁じることとなるようです。
ただし、いわゆる「乗合代理店」ではなく、あくまでも「保険会社の代理店」なのに、そこまで厳しい規制をかける意味合いを、主務官庁はしっかりと説明する必要があるように思います。

いずれにせよ、監督指針案などがパブコメに付される模様ですので、どのような“パブリックコメント”が出てくるのか、とてもワクワクしています。(失礼!)
https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=123&ng=DGKKZO92101280S5A021C2EE9000

9.保険持株会社による宿泊施設業進出

保険持株会社がホテル運営会社に出資される模様です。
ホテル運営や不動産運用事業に共同で取り組まれるようですが、筆者の拙い経験上、生命保険会社がホテル業を営んでいる事例があったことが鮮明によみがえってきました。
具体的には、「かんぽの宿」でして、郵政民営化の議論を国会の委員会で行っていた頃、当時の竹中総務大臣の国会答弁で、“生命保険会社が宿泊業を行う事例はないのでは?”と答弁されていたのが印象的です。

なお、同施設は当時、一般の方々も利用可能でして、特に、簡易生命保険契約者の場合、1,500円の割引が受けられるという話も関係者から伺えました。
この割引金額の根拠について、総務省との交渉がとても大変だったと、懇親会等で懐かしそうに語る関係者の表情も印象的でした。
ものの値段を決めることは、時として、大変な困難を伴う好事例として、未だに記憶に残っています。
https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=123&ng=DGXZQOUB2473Z0U5A021C2000000

10.200,000,000,000円!

約3.8万人の出資者から集めた「200,000,000,000円!」が帰ってこない事態となり、集団訴訟が行われている模様です。
筆者も日中の地上波を録画して帰宅後に楽しむ生活を過ごしているのですが、地方局のテレビCMで時代劇姿に扮したエキストラや、投資家(と思しき)方々にインタビュー形式がとても印象的でした。
7%の高利回り商品で、一部、YouTubeでは10%の高利回り商品と目される動画も流れていますが、いつの時代でも、このような事件が後を絶たないことに、人間の郷の深さを痛感します。

80年から90年代にかけて世間を騒がせた、豊田商事事件(金のペーパー商法)や和牛商法など、あの手この手で大金が動くのも、世の中の流れかもしれませんね。
https://media.finasee.jp/articles/-/17222

いかがでしたか。2025年10月は日本の憲政史上、新たな歴史が刻まされた月になりました。アクチュアリーの世界を含めて、今後ますます女性が輝きながら活躍できる世の中になることを切に願うばかりです。また、海外では大谷選手の大活躍も、ノーベル賞に負けないくらい感動と勇気を与えてくれます。「4打席連続(申告)敬遠」の文字を目にした際、日本の高校役で(星稜高校の)松井秀喜選手が同様の対応をされ、世間の賛否が真っ二つに分かれたことを思い返しました。

(ペンネーム:活用算方)

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