『生命保険経営』第93巻第6号の海外ニュースに気になる記事が載っていました.AI時代の情報検索を体感する目的で,少し調べてみました.
韓国生保協会(Korea Life Insurance Association)のアニュアルレポート(2024年)を見ると,韓国には国内生保が14社,外資系生保が8社あることがわかります.保険料収入のシェアでいうと,国内生保が82%,外資系生保が18%.ちなみに,日本では,国内生保(28社)が69%,外資系生保(12社)が31%なので,日本よりも韓国の方が外資系シェアは低いようです(日本の主要業績は,ニッセイ基礎研のレポートが詳しい.このレポートを踏襲し,かんぽ生命除きでシェアを比較.以下同様).
同じ比較ができる2011年で見ると,韓国の生保会社数は,国内生保が15社,外資系生保が9社でした.会社数で見ると,2011年から2024年まで,外資系生保会社数は減っていません.保険料収入のシェアで見ても,国内生保が81%,外資系生保が19%と,2024年とほぼ同じ水準です.ちなみに,2011年度の日本は,国内生保(26社)が77%,外資系生保(16社)が23%でした.
この統計だけ見ても,「外資系生保会社撤退の動き」は確認できません.困ったときのChatGPT.ということで,GPT5.2に聞いてみました(2026年1月4日).そうすると…
・外資系生保の撤退・売却は事実として起きています。
・ただし公式統計では「外資生保数自体が完全ゼロになった」という事実はありません。
・「外資系生保の撤退」という表現は、 売却・資本変更を含む広義の意味で使われることが多い。
なるほどです.信頼できそうなソースであるビジネスコリアの記事を見ると,ING(2013年),アビバ(2014年),アリアンツ(2016年),PCA(2017年),プルデンシャル(2020年)の名前が挙がっています.確かに,2011年の生保協会のアニュアルレポートを見ると,ING,アリアンツ,PCA,プルデンシャルの名前がありました(以下抜粋).

一方,2024年のアニュアルレポートでは,名前が消えています.そして,2011年には載ってなかった会社の名前がいくつか.撤退といっても,既契約者は引き継がないといけないので,これらの会社に契約を移管してるんでしょうね(本ブログは調査レポートではないので,ファクトチェックはこの辺りでご勘弁を).結果として,外資系会社数は2011年の9社から,2024年の8社という変化になっていました.
最後に,ChatGPTとの対話で気になる意見がありました.
背景としてしばしば指摘されるのが、K-ICS と IFRS17 の導入による資本評価の変化である。
外資系生命保険会社にとって、こうした環境変化は、韓国事業の位置づけを再検討する一因となった可能性がある。ただし、撤退や売却の判断は、規制要因だけでなく、各社のポートフォリオ構成、成長戦略、本社の資本配分方針など、複数の要素が重なった結果である点には留意が必要である。
長くなったので,この意見のファクトチェックは読者に委ねたいと思います(本ブログは調査レポートではないので).
間もなく日本でも導入される経済価値ベースのソルベンシー規制.韓国の経験は、日本の将来を直接示すものではありませんが、無視できるものでもないかもしれません。
(ペンネーム:ceraverse)