アクチュアリー試験やアクチュアリーとしてキャリアを積む上で、私たちはつい「自分の努力」や「才能」だけに意識が向きがちです。
しかし、実際には努力や才能だけではなく「環境」も私たちの行動や基準に大きな影響を与えています。
優秀な同期に囲まれたことで気づいたこと
私は社会人1年目でアクチュアリー準会員になりました。
準会員になるタイミングとしては比較的早い方だと思い、正直「自分はなかなかやるじゃないか」と自信を持っていました。
ところが、就活中から仲の良かった各社の同期の状況を聞いてみると、彼らも同じタイミングで準会員になっており、中には社会人1年目にして正会員になっている同期までいました。
この現実を知った瞬間、「社会人1年目で準会員になるのは当たり前なのかも」と自分の中の「基準」が大きく揺さぶられました。
「のんびりしていられない」と危機感が芽生え、すぐに二次試験の勉強に本腰を入れたことを今でも覚えています。
「できる人が身近にいる」環境の圧倒的な力
今振り返ると、優秀な同期に囲まれていたからこそ、自然と自分の基準が引き上げられていたのだと思います。
もし、周囲に合格者が全くいない環境だったら、「1年目で準会員になれた自分は十分すごい」と満足して、その後の努力を緩めていたかもしれません。
合格者がたくさんいる環境では、「これが普通」と感じる心理が働きます。
自分もその水準に近づこうと、ごく自然に努力を続けることができました。
この「周囲の当たり前」が、自分の限界や努力のレベルを大きく決めてしまうのです。
職場でも同じです。
合格者が多い職場にいると、「自分にもきっとできる」と思えるようになり、「合格」がぐっと身近に感じられるようになります。
この心理的な距離感が近いほど、挑戦へのハードルも低くなり、前向きな努力を継続できます。
実際、私の職場には合格者が多く在籍していました。
そのため、「次は自分が合格する番だ」と、ごく自然に思うことができたのを覚えています。
大変失礼な話かもしれませんが、「あの人が合格できるのなら、自分にもきっとできるだろう」と感じたこともありました。
これは決して他人を軽く見ているわけではなく、身近な人の成功を目の当たりにすることで、合格を現実的な目標として捉えられるようになった、という意味です。
さらに、会社全体にも「合格して当然」という空気が漂っていました。
正会員になってから受験生のサポート側に回った時、ふと上司に「今年の合格率の目標はどれくらいですか?」と尋ねたことがあります。
その時、上司は一瞬の迷いもなく「100%に決まってるだろう」と即答したのです。
この一言を聞いたとき、「この会社は本気で全員合格を目指しているんだ」と、その環境の強さを実感しました。
一人で黙々と頑張っているだけでは、ここまで強い自信や「自分にもできる」という感覚は得られなかったと思います。
やはり、合格が当たり前とされている環境に身を置くことが、いかに大きなメリットになるかを身をもって実感しました。
「天井」を作ってしまう環境もある
逆に、周囲に合格者が全くいない環境だったとしたらどうでしょうか。
「自分には無理かもしれない」「このレベルが限界なのかも」と、無意識のうちに自分の中で「天井」を作ってしまうことがあります。
周りに合格者がいないと、「本当にできるのだろうか」と疑いの気持ちが大きくなり、挑戦する前から諦めてしまう人も少なくありません。
「合格できればラッキー」「合格できなくてもしょうがない」といった気持ちが芽生えてしまうと、努力も継続できなくなってしまいます。
自分では努力しているつもりでも、実は合格者はその何倍もの努力をしているかもしれません。
自分の基準が低いことにも気づくことができないのです。
このように、環境は自分の基準や限界を決めてしまうほど強い影響力を持っています。
どんな「当たり前」の中に身を置くかを選ぼう
環境は、すぐには変えられないこともありますが、どんな職場・どんなコミュニティに身を置くかは自分で選ぶことができます。
- 合格者が多い職場を選ぶ
- ハイレベルな勉強会やコミュニティに参加してみる
- 意識の高い人たちと積極的に関わる
このように、自分より少し上のレベルに身を置くことで、「できるのが当たり前」という空気を自然と吸収することができます。
逆に、周囲の水準が低い環境にいると、自分の基準も無意識のうちにその水準に合わせてしまいがちです。
自分を取り巻く環境が、知らず知らずのうちに自分の限界や当たり前を決めているのです。
まとめ
努力や才能ももちろん大切ですが、「どんな環境にいるか」が自分の成長スピードや可能性を大きく左右します。
今の自分の「当たり前」は、実は「周りの当たり前」で決まっていることがほとんどです。
だからこそ、環境を選ぶことも大事な自己投資のひとつです。
もし、「もう一歩踏み出したい」「最近伸び悩んでいる」と感じている方は、一度自分の「環境」を見直してみてはいかがでしょうか。
環境が変われば、あなた自身もきっと変わります。
ペンネーム:mizuki