アクチュアリーの転職


(上司)「これ今日中に頼むよ。明日の役員会で使うから。」
(自分)「(えぇ!? 今日飲み会なのに!)わかりました。」
(上司)「頼む。じゃあ帰るね!バーイ!」

よくある会社を辞めたくなる光景ですよね。
筆者は何十回も上司を殴りました(注:妄想上です)。自宅でシャドーボクシングをして、何度も家族に精神疾患を疑われました。

一昔前であれば、会社は終身雇用で、余程のことがない限り社員を守ってくれました。でも今そんな余裕のある会社はほとんどありません。ならば、サービス残業や理不尽な転勤は何のために我慢するのでしょうか?

かつては「ゼネラリストが強い」などと言われていましたが、バブル崩壊以降は専門性が高い人材程どの会社も欲しがるようになりました。特に、アクチュアリーという専門職は、どの会社においても極めて高いニーズがあることは言うまでもありません。

1990年代、生命保険も損害保険も各社ほぼ同じ保障内容、保険料の商品を売っていた時代がありました。このような時代には、“たくさん売った人が偉い”理屈が成り立ち、営業出身者が社長になるケースが太宗を占めていました。
しかし生命保険も損害保険も昨今は商品開発競争が激しく、各社が収益を削って競っている状況下では、収益とリスクを同時に見通せるアクチュアリーの役割は高まる一方です。
そのためか、最近では、外資系のみならず日本社においても、アクチュアリーが社長になるケースが増えています。

このように、業界内ではアクチュアリーの存在感が高まっているとは言っても、やはり自身の一番の関心事は、身近にいる上司や同僚との人間関係。悪い人間関係が長期間続くとストレスがたまりますし、とある人によればストレスが地球をダメにするそうです。
人材のポータビリティーが高まり、転職が日常茶飯事になった昨今、ストレスがたまる状況で数年間を潰すことは、人生の無駄遣いであるともいえます。
そんな我慢が出来ない状況が続く時に一個人が会社に対して取りうる数少ない方法の一つが転職です。転職は逃げることではありません。

大手社にいると、「この会社を辞めたら生きていけない」といった価値観が醸成されます。「この会社を辞める奴は裏切り者だ」ともDNAに刷り込まれます。
筆者もかつてはそう思っていましたが、現実には会社と従業員を結び付けているのは雇用関係のみです。本当に自分が苦しい時に会社は助けてくれません。絶えず自分を見つめて、「今この会社で働いていることは得か損か」を客観的に評価することは、今後更に厳しさを増すであろう社会において、全ての人に求められる姿勢だと思います。

筆者の俺統計によりますと、アクチュアリーの準会員であれば35歳位まで、正会員であれば45歳位までは、ある程度自由に転職が可能です。全くの他業界からのチャレンジでも、1~2教科合格していれば30歳位までであれば大丈夫だと思います。
したがいまして、アクチュアリー受験生の人は、毎年少しずつでも試験に科目合格することが重要です。結局のところ芸は身を助けます。
筆者も、正会員になった直後に仕事でめちゃめちゃ落ち込むことがありました。そんな時にヘッドハンターの人(注:VRPパートナーズさんではありません)から、「いい案件があるけど興味ある?」と言われて気持ちが一気に軽くなりました。その案件は断りましたが、「いつでも転職できるんだぞ!」という気持ちでいられることは心強い限りでした。

職場で悪い状況が続くようであれば、転職することも一案。でも、自分のキャリアも大切にしましょう。あまり転職を何度も繰り返して履歴書を汚すことはお勧めできません。採用する側に、「この社員は堪え性がなくて、うちに来てもすぐに辞めるのかな?」と思われてしまうと転職も上手くいきません。

また、転職先が天国であるとも限りません。大抵の転職先は人材不足で、以前の職場よりも幅広い業務をこなすことが求められます。また、同僚が役に立たず、自分にばかりしわ寄せが来るかもしれません。しかし、若い年齢なのに、大手社であれば考えられない広範な業務や未経験の業務を経験できるのは中小社の大きな魅力。多少背伸びしても、知識量や経験値を増やし、自身の市場価値を一気に高めたい人にとって転職は有用な手段の一つです。

(ペンネーム:猫太郎)

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