2次試験の疑問あるある


 アクチュアリー試験を目指す場合、少なくとも、第1次試験(基礎科目)は出題範囲が教科書に限定されていますし、お金さえ払えば、勉強会なども用意されていますので、比較的対策が立てやすいと思われます。

 一方、第2次試験(専門科目)となると、(たとえ有料でも)勉強会なども少なく、独学にならざるを得ない方々が多いものと推測されます。

そこで、今回のコラムでは、アクチュアリー第2次試験、特に、生保コースを目指す方々に、効果的と思われる対策などをご紹介して参りましょう。

1.所見とは?
噂では、所見そのものは採点対象外のようです。つまり、『所見に正解はない』ということです。もちろん、所見が書かれていない解答は論外ですが。
具体的な所見の例としては、例えば、平成24年度の生保1(問題3(2)“乗合チャネルを通じた保険販売を検討”)で、公式解答として、所見の例が掲載されています。
初めて、二次試験を受験される方は、この解答例(の流れ、ストーリー感)を暗記しておくと良いでしょう。

2.保険業法などの条文番号は覚えるべき?
第2次試験(専門科目)の出題範囲には、保険業法などの法令が含まれます。例えば、責任準備金の積立根拠として『保険業法第116条』があります。

では、保険業法などを解答で引用する場合、条文番号も書く必要があるのでしょうか?

答えは、Noです。

実際、平成19年度(生保2)問題2(3)“株式会社化の留意点”の公式解答では、以下の記述があります。

“(※)解答例では、「保険業法XX条では、」のように条文番号を記載しているが、実際の解答では単に「保険業法では、」のように記載しても構わない。”

 受験生の勉強負荷が、少し軽減されましたね。

3.『意義』とは?
出題パターンの1つに、“●●について、その意義を簡潔に述べよ。”というものがあります。それでは、意義とは、何なのでしょうか?
1つの解釈として、『意義=目的』と考えることができそうです。
実際、平成24年度(生保2)問題3(2)では、『① ストレステストの意義・目的』という記述があり、解答例としても、特段、意義と目的を分離した記述になっておりません。
もちろん、教科書で、意義と目的を分離して記述されていれば、解答も別々に記載するのが良いでしょう。

4.所見問題の解答用紙の使い方
 現在の第2次試験は、解答用紙に枚数制限が課されているため、受験生にとっては、単なる知識の披露だけでなく、コンパクトに要約して表現する能力も問われています。
したがって、限られた紙面でいかに効率よく答案をまとめるかがポイントとなります。

そこで、お勧めしたいのが、『先に所見を書く』というテクニックです。

実際、解答用紙の最後のページの下半分くらいを利用して、所見を“1行おきに”最初に書いてしまうというものです。上述のとおり、そもそも所見自体は採点対象外なのですから、忘れずに所見を書いておけば、残りのスペースで枝番1から順に解答を進めていけば良いのです。
なお、『所見を“1行おきに”』としたのは、後になって、所見に追加したい事項が出てきたときに、うまく挿入できるようにしておくための工夫です。

5.暗記テクニック
 中学の社会(歴史)の授業で、徳川吉宗(徳川家8代将軍)の時代に、『公事方御定書(クジカタオサダメガキ)』『目安箱の設置』『足高の制』『上米の制(あげまいのせい)』という4つの単語を暗記する場面に遭遇しました。

そこで、以下のような“ゴロ合わせ”を考案することで乗り切ることができました。

“クジを目安に、足を上げる”

このような暗記テクニックを使うことで、無意味な文字の羅列を一気に覚えてしまうことができます。是非、アクチュアリー試験にも応用したいところですね。

6.教科書の読み方
 ページ数の多い教科書を、最初から読んでいると、いつまでたっても読み終わらないという事態に陥りかねません。そこで、おすすめなのが、過去問で出題されている範囲を教科書にマーカーしていくというものです。
 この方法だと、出題範囲が徐々に塗りつぶされていき、未出題の内容が浮かび上がってきますので、その内容を重点的に勉強すれば効率化な学習が図れます。
逆に、何度もマーカーされている箇所が頻出論点となりますので、頻出論点の整理にも役立ちます。
 『過去問から教科書へ』というキャッチフレーズを、是非、覚えておきましょう。

7.教科書は常に持ち歩くべきか?
 常に教材を持ち歩いた方が、スキマ時間に勉強しやすいのですが、一方で、教科書を全部持ち歩くのは、容易ではありません。
そこで、教科書の目次だけをコピーして持ち歩いて、スキマ時間や通勤途上などで目次をみながら、教科書の内容をイメージすれば、手軽に気軽に学習が進みます。
例えば、もし、自分がテキスト委員だとしたら、目次に沿って、どのような内容に仕上げるかを考えても良いでしょう。また、コピーしたものであれば、万一、紛失しても問題ないでしょうし、片面コピーすれば、裏面をメモ用紙代わりにも使えます。

いかがでしたか。アクチュアリー試験の合格発表も終了し、これからアクチュアリー試験の勉強を始めようと思われている方も多いかと存じます。
上記のテクニック等は当方が受験時代に実践した方法ですので、1つでも参考になれば幸いです。

(ペンネーム:活用算方)

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