2023年に起こりそうなこと


いよいよ2023年がスタートいたしましたが、新型コロナやロシア・ウクライナ戦争など、昨年から続く課題が山積ですね。
一方、同コロナで延期となった『国際アクチュアリー会議(ICA2023)』がシドニーで開催されるなど、アクチュアリーにとっても記念すべき年になりそうです。
そこで、今回のコラムでは、アクチュアリー周辺の話題を中心に、今年起こりそうなことを独断と偏見を交えながら、ご紹介いたしましょう。
なお、内容はすべて単なる個人的な見解および推測にすぎない点を、念のため申し添えます。

1.ICAシドニー大会

いよいよ、ICA2026東京大会が近づいて参りましたが、日本アクチュアリー会に設置されたICA2026組織委員会および傘下の各部会委員の方々のご努力には、本当に頭が下がります。
筆者も1999年の同会100周年記念大会の裏方として参画させていただいたのですが、開催日の直前まで部会メンバーと夜遅くまで準備に勤しんでいた頃がとても懐かしく感じられます。
幸い、前回のICA2018ベルリン大会にも参加させていただけたのですが、思いのほか“低かった”ベルリンの壁など、社会科の授業で学習した歴史的遺産に直接触れる機会をいただけたことは、その後のアクチュアリー人生において貴重な教訓となりました。

今回の会場であるシドニーは、筆者の新婚旅行の地でもあり、初めての南半球旅行でしたが、添乗員さんから、“南半球では、地球の自転の影響で、洗面台などの排水時の渦の向きが日本と逆になりますので是非試してみてくださいね”と言われたのがとても印象的でした。現地参加される方々は、是非お試しください。
なお、ICA1976東京大会では、『アクチュアリーおよび関連保険用語集(英→日仏独、日→英仏独)』が日本アクチュアリー会から刊行され、皇太子ご夫妻や大平大蔵大臣などにもご臨席を賜り、日本初のICAは大盛況であったと伺っております。
後述の、経済価値ベースのソルベンシー規制の正式導入も2026年(2025年度決算)の予定ですが、日本における保険業の大転換ともいえるこの2026年に、奇しくも2回目となるICA東京大会が開催されることに不思議な御縁を感じます。

2.新型コロナ分類変更

新型コロナウイルス感染症は、現在、感染症法上の“2類相当”に分類されていますので、検査・治療費は全額公費で賄われています。
一方、致死率の大幅低下などを踏まえて、“5類相当”への分類に変更することが検討されています。
感染源とされている中国では、感染者数などの統計データが非開示となってしまいましたが、水際対策が成功しない場合、“第9波”の到来も大いに懸念されますので、分類変更の議論では慎重な将来見通しが不可欠であると考えられます。

なお、当該分類変更に伴い、民間の医療保険の給付が停止されるといった“デマ”にも注意したいところです。噂では、このような虚言を吐きながら、新契約募集を狙うFPも存在するようですので、注意したいですね。
また、新型コロナウイルス感染症に関する詳細データは、以下のサイトをご覧下さい。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/restrictions/detail/detail_107.html

3.経済価値ベースのソルベンシー規制

いよいよ2025年度決算(2026年3月期)から、日本において経済価値ベースのソルベンシー規制が本格的に導入されることとなりました。
それに先立ち、2022年6月に金融庁から、「経済価値ベースのソルベンシー規制等に関する基本的な内容の暫定決定について」が公表されましたので、IT投資などの事前準備に対する大まかな方向性は、ほぼ決まったようにも思います。
https://www.fsa.go.jp/news/r3/hoken/20220630_2.html
なお、セミナー会社からは、早速、本件に関するセミナーが開催される模様ですので、余力があれば、是非、参加されることをお勧めいたします。
https://www.seminar-info.jp/entry/seminars/view/1/5842

4.経営トップ交代など

最近の風潮として、若手(といっても50歳代ですが)や、専務・副社長を飛び越えた社長就任が増えているように思います。
ITベンチャー企業などを中心に、欧米では、40歳代が経営トップに就くことも多々ありますが、まだ、日本では稀なケースと言えそうですね。
それにしても、日本の安定した保険マーケットは、やはり、諸外国からみると大変魅力的な市場に映るようでして、為替レートの急激な動きに併せて、巨額の買収案件が実現される可能性も十分あるように思います。
上述の、経済価値ベースのソルベンシー規制は、保険業界における合従連衡の重要な“きっかけ”となるかもしれませんね。

5.保険買取ビジネス

以前の当コラムでもご紹介しましたが、昨年、金融庁OBの方が「生命保険買取ビジネス」に参入されたことが大きな話題になりました。
ヤフオクやメルカリなど、最近では様々な“(中古品)売買ビジネス”が横行していますが、生命保険の買取ビジネスは、ある意味、究極の“売買ビジネス”かもしれません。
生命保険の父と呼ばれる、エリザ・ライト氏の「信念」を、「新年」だからこそ後世に語り継いでいきたいと切に願います。
https://www.homai.co.jp/kotoba/kotoba/50on/se-seihobaisyu.htm
http://www.ansin.ne.jp/columns/6

いかがでしたか。毎年、清水寺で発表されている「今年の漢字」ですが、昨年は「戦」でした。2023年は戦争のない、平和で穏やかな一年となることを大いに期待したいですね。

 

(ペンネーム:活用算方)

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