アクチュアリー試験勉強を始める方へ(第2次試験編)


2019年度資格試験結果(科目別合格率など)が2020年3月19日に、日本アクチュアリー会ホームページの会員サイトで公表されました。

生保1および生保2の合格率はそれぞれ13.5%および18.1%となり、生保1は昨年並みに、生保2は5ポイントほど上昇しましたが、生保2では昨年に比べて合格率が高かったため、今年の生保2は初受験の方々の占率が昨年に比べて多くなることが想定されます。

そこで、今回のコラムでは、生保1および生保2を中心に、アクチュアリー試験のうち第2次試験(専門科目)を初めて勉強される方々に向けて、教科書の読み方や過去問への取り組み方など、役に立つと思われるアドバイスを行いましょう。

なお、今回のコラムは、敢えて、今月の別のコラム『アクチュアリー試験勉強を始める方へ(生保数理編)』と同じレイアウトで作成しておりますので、特に、アクチュアリー試験自体が初めてという方は、是非、両方のコラムを比較しながらお読みいただければ理解がより深まるものと思います。

1.第2次試験を受けるにあたっての注意事項
「アクチュアリージャーナル(第66号)2008年」が会員専用サイトで閲覧できますので、そのうち『第2次試験に向けた勉強を進める上での留意事項』には、必ず目を通してください。
また、会員専用サイトのトップ画面の左上にある「お知らせ」―「事務局からのお知らせ」から「第2次試験受験者向け説明会資料(2008年11月12日)」にアップされている各種資料も、必ず熟読しましょう。

2.教科書の目次を持ち歩く
「教科書を常に持ち歩く」ことが理想的な勉強スタイルですが、生保1および生保2とも、教科書をすべて積み重ねると5cm近くあるため、すべての教科書を常に持ち歩くことは難しいかもしれません。
そこで、是非おすすめしたいのが、目次部分をコピーなどして常に持ち歩く方法です。
初めのうちは、第○○章の△△ページ付近に何が書いているのかを覚えるのに苦労するかもしれませんが、慣れてくれば各章の記載内容が頭に入ってきて、最終的には、過去問などの具体的な問題を見て教科書のどの辺りに登場する概念かがイメージできるようになれば一人前です。
そのためには、教科書の目次部分を常に携帯して、電車の待ち時間やトイレの個室に籠っているときなど、眺めるようにすることが重要になります。

3.参考書にも必ず手を付ける
毎年6月末頃に日本アクチュアリー会から公開される「資格試験要領」に明記されていますが、第1次試験(基礎科目)の出題範囲は教科書に限定されますが、第2次試験(専門科目)では教科書とは別に参考書からも出題されます。
直近では、生保1に参考書はありませんでしたが、生保2ではALMに関する参考書が指定されていますので、資格試験要領を注視しながら、参考書が指定された場合には、参考書にも必ず目を通すことを意識しましょう。

4.問題を解きながら教科書の本文を読む
第1次試験(基礎科目)と同様に、第2次試験(専門科目)でも、問題を解きながら教科書の本文を読むことが合格への近道です。
特に、問題2の用語説明問題では、教科書等の表現をそのまま記述することが重要となりますので、過去問を解きながら、教科書のどの部分が出題されているのかをマーカーなどを利用してチェックすれば、頻出論点の『あぶり出し』等も可能となります。

5.章の順序に拘らない
教科書は第1章から順番に読んでいくのが基本かもしれませんが、第1次試験(基礎科目)の教科書と比べると、章同士のつながりはそれほど強くないため、興味のある章からランダムに読み進めても構いません。
例えば、「生保1」であれば、『第1章 営業保険料』および『第10章 商品毎収益検証』を同時並行で、また、「生保2」であれば、『第1章 生命保険会計』および『第6章 ソルベンシー』を同時並行で、それぞれ読み進めることも可能です。(利源分析の観点からは、『第1章 生命保険会計』および『第5章 事業費の管理・分析』を同時並行しても良いでしょう。)
なお、第2次試験の受験科目の順序が気になる場合には、「生保2」の出題範囲の一部に「生保1」の教科書(例.『第5章 変額年金保険』など)が含まれるため、「生保1」⇒「生保2」の順序で受験されるのがベターかもしれませんが、お勤め先が決算部門(例.主計部など)であれば、実務経験を生かして「生保2」から受験しても良いでしょう。

6.過去問はすべて読む
生保2については、会計制度の変更などもあるため、あまり古い過去問は活用できない場合がありますが、生保1については、古い過去問でも試験対策に十分活用できる問題&公式解答が少なくありません。
特に、公式解答とは別に、試験委員からの貴重なメッセージも同時に公開されていることもありますので、是非、熟読して答案作成に活用したいところです。
なお、生保1では平成24年度が、また、生保2では平成7年度がそれぞれ「所見」を含めた公式解答となっておりますので、「所見の書き方が分からない」という受験生にとっては非常に貴重な公式解答と言えるでしょう。

7.Excelファイルを活用
昨年出題されたソルベンシー・マージン比率の計算問題やリスク係数の穴埋め問題などでは、実際に、決算状況表などの様式に基づいて、同比率をExcelファイルで具体手的に計算してみることは、試験対策として非常に有効です。
また、利源分析や実質資産負債差額などにおいても、具体的な勘定科目をExcelファイルに入力した上で教科書などの記述内容と比べながら学習を進めれば、理解がより深まることでしょう。
なお、日本アクチュアリー会から公表されている、『標準生命表の作成過程』に基づいて、実際に標準生命表を再現してみることも、実務面での応用を含めて大変意義深いことだと思いますので、余力があれば是非チャレンジしてみてください。

いかがでしたか。この「アクペディアコラム」のトップページの右上にある「虫眼鏡」マークに「2次試験」などと入力して検索いただければ、上記以外にも合格の秘訣など(例.2次試験の疑問あるある: https://www.vrp-p.jp/acpedia/1342/ など)が紹介されていますので、併せてご活用頂ければ幸いです。

(ペンネーム:活用算方)□

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