2020年のアクチュアリー試験


新型コロナウイルスの第二波と思われる感染者数の増大は、『Go To トラベル』を『Go To トラブル』に変えたようにも思えますが、旅行業界のみならず、様々な業界に重大な影響を与えていることは間違いないようです。

そして、アクチュアリー達もまた、重大な影響を受けている世界に『どっぷりと』浸かっています。

2020年7月29日(水)に、日本アクチュアリー会から資格試験要領の『追記』として、『一部科目について試験日程の入替等の可能性が高く(中略)8月26日(水)に改めて資格試験要領を公開予定』とアナウンスされました。

東京オリンピック同様、アクチュアリー試験も延期される可能性が十分考えられます。

そこで、今回のコラムでは、今年のアクチュアリー試験について、受験生を含めて、アクチュアリーの方々が注意すべき点をご紹介することにします。
なお、あくまでも筆者の『独断と推測』であり、実際の対応等を保証するものではないことを、予めお断りいたします。

1.資格試験のまとめサイト
IT技術の進展で、本当に便利な世の中になりましたね。資格試験の延期・中止等が、アクチュアリー試験以外を含めて一覧できるのは、受験生にとっては本当に有りがたい存在だと思います。
https://www.shikaku-square.com/media/yobishiken/information-updated-at-any-time-information-on-postponement-cancellation-of-2020-qualification-examination-influence-of-covid-19/

2.就職活動
アクチュアリー採用に特化したサイトを知人から教えてもらえましたが、正直、かなりの認識相違や明らかな誤りが散見されますので、あくまでも参考程度に捉えていただけるのが良いかと思料いたします。
https://iwashi-journal.com/blog/actuary/2646/

3.2021年に2年分の受験生
仮に、今年の資格試験が来年に延期された場合、そもそも、試験会場の手配や、ソーシャル・ディスタンスを確保するため、相当広い会場が必要になると思われます。

思い切って、オンラインでの試験実施を本格的に検討しても良いかもしれませんが、(第1次試験(基礎科目)はともかく)第2次試験(専門科目)をオンラインで実施することは、かなりハードルが高いように思われます。

4.オンラインの普及
夏休みシーズンに『インターン』制度を導入する保険会社が増えつつありますが、秋頃のエントリーシートの前に、超青田買いを行う会社も登場しているという噂も聞こえてきます。

新型コロナウイルスの影響で、インターンシップをオンライン開催に変更する会社も登場しており、会社の柔軟性をアピールする絶好の機会にもなっています。
https://www.dai-ichi-saiyo.jp/2022/pr/internship/actuary_course/

なお、2019年5月7日の定例記者会見で、経団連会長から『終身雇用を前提に企業運営、事業活動を考えることには限界(https://www.businessinsider.jp/post-192329)』とのコメントがあり、見方によっては、経営者自らが雇用義務を放棄するとも受け取られかねない発言も注目されますが、すべての業種において多種多様な働き方を目指す必要があり、オンライン技術を駆使したリモートワークが、ますます重要になってくるでしょう。

5.動物への感染
武漢の海鮮市場が発生源と言われている新型コロナウイルスですが、コウモリ等の動物を経由することで、ウイルスが変異し、より強力な形で人間に感染するという悪循環が見られた模様です。

さらに、残念ながら、日本国内で犬の感染が判明し、(今のところ人間への感染は確認されていないようですが)将来的に、犬から人間に感染した場合、ワクチンが効かない、より強力なウイルスに変異する可能性も懸念されます。
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiimasumi/20200804-00191547/
流石に、試験会場に犬を連れてくる受験生はいないと思いますが、会場までの道のりで(人からだけではなく)動物から感染するリスクも考えられます。

6.富士山の噴火
新型コロナウイルスとは直接関係ありませんが、西之島の出現や大涌谷の噴火予兆など、間違いなく、地下マグマは活発に変動していると思われます。

864年(貞観地震)、1707年(宝永地震)の直後に、富士山が噴火したとの記録も残されていますので、火山灰で日光が長期間遮られた首都圏が大混乱となり、アクチュアリー試験どころではなくなる可能性も十分にあり得ます。

あまり不安ばかりを煽るのも良くないのですが、一方で、864年から1707年までの間は、大規模な噴火をしていない、という見方もできますので、次の噴火は2500年頃まで起こらない、と楽観的に考えることができるかもしれません。

いずれにせよ、東日本大震災などで、普通保険約款上の免責条項である『地震・噴火・津波』のうち、『地震・津波』は経験しましたので、残るは『噴火』というのも、何とも不気味な感じではありますが。

7.マインドの持ち方
たとえ、2020年のアクチュアリー試験が中止されたとしても、日々の業務と試験勉強を続けていくことが、結局、合格への近道であることには変わりありません。

むしろ、試験中止で気が緩んだ受験生に差を付ける絶好の機会と『前向き』なマインドで臨めば、かならず道は開けるでしょう。
とにかく、自分を諦めずに、自分を信じてください。

いかがでしたか。将棋の世界では藤井聡太さんが大活躍されていますが、某動画サイト(https://www.youtube.com/watch?v=i9MzGO4tEI4、開始2分前後)では、米長邦雄名人が『A級』から陥落の危機に瀕した際のインタビューで、『陥落したときは、おまえさんは別の道を歩みなさい、という天の啓示だと思う。』と堂々と語る姿が非常に印象的です。

たとえ、アクチュアリー試験に挫折しても、気にせず別の道を堂々と進めば良い、という人生観は、混沌とした現代において極めて重要な『処世術』だと言えるでしょう。

(ペンネーム:活用算方)