試験勉強を始める場合の7つのコツ


いよいよ新年度がスタートしますが、アクチュアリー試験をはじめ、様々な学習をスタートされる方々も多い頃かと思います。
筆者も長年、「25日サイクル」で月例業務がスタートする会社にお世話になった関係で、未だに「25日」という日付をカレンダーでみる度に、新しい月が始まるなあと実感する日々が続いております。(←あと5年で定年を迎えるのですが。。。)
そこで、今回のコラムでは、これまでの資格試験の学習方法、特に、アクチュアリー試験に対するものについて、筆者が失敗した点や後悔した点なども交えながらご紹介いたしましょう。

1.教材を常に持ち歩く(PDFファイル公開でさらに容易に)

上述の「25日サイクル」の会社では、5年に一度くらいのペースで人事研修があり、無事にクリアした人だけが昇給・昇格を果たすというかなりシビアな世界を目の当たりにした記憶があります。
一方、厳しい研修の合間に外部講師を招いて様々な講演会も開催されており、特に、ファイナンシャルプランナーである浅井秀一先生(ストックアンドフロー代表取締役)のお話が強く印象に残っています。

具体的には、何かの資格試験勉強を始めるためには「3種類の教材」を準備することが合格への近道であり、具体的には、「常時携帯できる薄い本」、「いわゆる教科書」、「百科事典のように机上に置いておく本」が先生のご推薦でした。
当方のアクチュアリー試験受験時代では、先生のお言葉を信じて、重要公式や間違えやすい問題などをまとめた「自作のノート」を「常時携帯できる薄い本」として活用しながら、通勤電車の乗り換え時間などにペラペラと見ていたことが記憶の定着に大いに役立ったように思います。スキマ時間の活用は、本当に大切ですね!

幸い、日本アクチュアリー会ホームページで同会作成の教科書がPDFファイルで無償公開されましたので、スマホやタブレットなどにうまく格納すれば、いつでもどこでも自由に閲覧できるという“夢のような世界”が広がってくるかもしれません。
なお、PDFファイルによっては、テキスト部分がコピーできるものとそうでないものとが混在しているようですので、その際は、“Googleレンズ機能”などを駆使しながら、手軽にテキスト化できる点も大いに活用したいところですね。

2.大まかなスケジュールを立てる(ただし、祝祭日は除く)

アクチュアリー試験の受験可能年齢が18歳に大幅に引き下げとなりましたが、筆者を含めて、これまでの受験生の多くの方々は大学受験で綿密なスケジュールを作成された経験があると思います。
ただし、大学受験の場合には、学校や予備校などがある程度のスケジュールを立ててくれるので、本人にとっては、いかにしてこのスケジュールに遅延なく“乗っかっていく”のかが重要ですが、アクチュアリー試験などの資格試験においては、かなりの方が独学で臨まれるでしょうから、ご自身に合ったスケジュール作成が合否の分かれ目といっても過言ではありません。

その際、仕事のスケジュール(例.決算などの業務繁忙期、出張など)を優先することは仕方ないのですが、敢えて“祝祭日には勉強スケジュールを入れない”という点も重要かもしれません。実際、特に、新社会人の方々はすぐに実感されると思いますが、仕事と勉強の両立は相当覚悟をもって臨む必要があり、さらに、結婚生活を行っている場合には、そもそも如何にして“自分一人の勉強時間を確保するか?”が日々の悩ましい課題であることが少なくありません。

そのため、仕事や家庭生活(家族サービスなど)を優先しつつ、効率的に学習できる時間を確保する観点からも、(祝祭日を除いた)学習スケジュールを立てることが重要となります。
ちなみに、順調にスケジュールがこなせれば、「祝祭日を自分やご家族の「ご褒美の日」として、勉強以外のイベントを思いっきり楽しむことも、つらい学習を長続きさせるコツになることでしょう。

3.確保できる勉強時間を把握する

上述のスケジュール作成において、まずは、通常の一週間(平日が5日)で日々のスケジュールを作成してみるのがよいでしょう。
その際、例えば、週休二日の場合、平日2時間、土日6時間という感じで、おおよその学習可能時間が浮き彫りになってくると思います。

もちろん個人差はありますが、筆者の経験上、アクチュアリー試験科目の学習時間の目安は、1科目当たり1,000時間程度と考えられますので、365日で割ってみると、1日3時間(1週間で21時間)程度の学習時間が確保できれば1年で合格できるはずです。ただし、仕事をしたりして折角身についた貴重な学習知識を忘れることも考慮する必要がありますので、やはり、後述の通り、1科目受験は最大3年までというゴールを明確に自分に課すことも大切だと思います。

4.よい参考書を選ぶ(例.アクチュアリー受験研究会など)

最近では、特に、アクチュアリー1次試験対策用の書籍が数多く刊行されていて、中でも、アクチュアリー受験研究会が発行する書籍は、同1次試験5科目全てを網羅されておりますので、大いに活用したいところですね。
また、個人的なブログやX(旧ツイッター)などで色々と情報発信されている方もいらっしゃいますので、ご自身に合う情報源を確保することも、学習を長続きさせるコツかもしれません。

もちろん、教科書および過去問が、結局のところ「最短・最善のテキスト」であることに変わりはないように思います。(←といっても、なかなか「数学2」に合格しなかった筆者は10冊におよぶ確率統計の問題集を購入して、何とか合格を勝ち取った身ではありますが)

5.よい専用講座を選ぶ(例.シグマベイスキャピタル社など)

上記の「よい参考書」に加えて、ここ数年、講義形式でアクチュアリー正会員を含む講師陣によるアクチュアリー1次試験対策講座も開講されています。
特に、現役の保険計理人が講師となり、アクチュアリー2次試験対策講座を開講するケースもありますので、準会員から正会員まで時間を要している受験生にとっては“時間はお金で買える”という前向きな割り切りの下、両会員の年収格差(例.準会員と正会員数とでは、百万円以上の年収差が出るとも言われます)を考慮すれば、授業料は決して高くはないと考えられるかもしれません。

なお、講座によっては、過去の動画を閲覧できたり、体験講座を受講できるものもありますので、よりよい学習スタートをきる観点からも、これらの機会を逃さないようにしたいところです。

6.勉強仲間を探す(例.SNS上のつながりなど)

上述のアクチュアリー受験研究会をはじめとして、無料の勉強サークル的な組織が確立されつつありますので、大いに利用したいところですね。
特に、SNSなどを活用すれば、気軽に意見交換ができたり、ネット上の専用掲示板などで質問できる場も提供されていますので、学習のための一種の“ペースメーカー”として利用することも視野に入れながら、ご自身に合った勉強スタイルが確立できれば、合格にますます近づける雰囲気が得られることでしょう。

7.3年で一区切り(だらだらと勉強しない。)

筆者もこれまで幾つかの「アクチュアリー試験対策講座」を担当させていただいておりますが、受験生からの多くの質問の中に、“同じ科目を5回受けても合格しない。自分はそもそもアクチュアリーに向いていないのでは?”というものがあります。
確かに、仕事や資格に対する自分自身の適正をきちんと把握することは容易ではありませんね。

そこで、時間を無駄にしないためにも、是非おススメしたいのが、“合格までの時間を区切る”ということです。
例えば、特定の1つの科目を学習してから3年以内(←試験委員は3年ごとに交代するようですので4年でもOK)に合格しなければ、アクチュアリーを諦めて別の道や資格を目指すというものです。
大昔、公認会計士試験対策として日商簿記対策の講座を受講していた頃、ネットスクールという学校に出会い、その中で「通るラジオ」で講師の方がそのようなことを仰っていたのが印象的でしたので、筆者の講座でも使用させていただいております。

時間の無駄遣いをしないことも、もちろん大切ですが、それ以上に“時間の無駄遣い”にも留意したいですね。
もっとも、ドラクエの“魔法戦士”のように、たとえ途中で挫折したとしても、アクチュアリー1次試験などで学んだ事項は、ERMなどのリスク管理が一般事業会社でも重要性が叫ばれる中の昨今においては、十分に役立つものとなるでしょう。

いかがでしたか。過去にも同じようなコラムをいくつか発表させていただきましたが、恐らく多くの受験生からみると、“なあんだ、どれも当たり前の事柄ばかりで目新しいものは何もない”というご批判の声が聞こえてきそうです。既に自分が今ここで為すべきことは多くの方々は気づいているのですね。

『やれなかった やらなかった どっちかな』
相田みつを「にんげんだもの」(文化出版局)

(ペンネーム:活用算方)

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