2026年度がスタートしました。初めて社会人となった方々にとって、期待と不安が入り混じった状況かもしれません。
そこで、今回のコラムは、『新人アクチュアリーへのアドバイス7つ(2025年4月1日(火))https://www.vrp-p.jp/acpedia/5212/』の続編として、(アクチュアリー採用者を含めた)新社会人全般に向けたメッセージをお届けいたしましょう。
筆者は生命保険会社などの金融機関を中心に社会人経験33年目を迎えますが、おかげさまで、本業に加えて、書籍執筆および大学非常勤講師等も拝命しておりますので、当コラムが大学生を含む社会人予備軍の方々にも参考になれば幸いです。
1.一般職 or 総合職、それとも専門職
多くの企業では、採用時の職種として2種類(一般職 or 総合職)が導入されていることが一般的なように思います。
また、総合職を選択した場合、いわゆる「転勤」に同意したものと見做す企業も少なくなく、子供の転校や単身赴任など、家族として何らかの選択を迫られる機会も少なくないかもしれません。
一方、たとえ総合職であっても、転勤がない働き方を導入する(大手)企業もあるようですので、(今更遅いかもしれませんが)就職活動において、ご自身のキャリアプランのみならず、20年後、30年後も見据えた快適な環境をどこまで想像できるかが重要な選択かもしれませんね。
ちなみに、某大手保険会社で日本アクチュアリー会の連絡担当者(日本アクチュアリー会からの連絡窓口)をされていた『一般職』は、アクチュアリー試験に興味を有し、試しに(当時の)生命保険数学1にチャレンジしたところ、見事に合格され、周囲の『総合職』を圧倒された逸話を耳にしたことがあります。
採用ルートや役職などに関係なく、平等に受験機会が与えられるという点で、非制限選挙と同じように公正・公平な社会づくりとの共通点があるかもしれませんね。(話が飛躍し過ぎかもしれませんが)
2.一人暮らし
社会人として初めて一人暮らしをされる方も少なくないかもしれませんが、反抗期でどれだけ“悪態をつく”若者であったとしても、やはり、一人暮らしを経験して、改めて親への感謝の情念が湧いてくるかもしれません。
是非、親御さんへの感謝をこめて初任給でプレゼントを贈られることを願っています。
3.通勤テクニック
首都圏での通勤時間は長時間に及ぶことも珍しくありませんが、コロナ明けでオフィス出社が戻りつつある中、満員電車を如何にして回避するかが重要です。
最もシンプルな回避方法は、“始発電車に乗る”ことかもしれませんが、居住地域によっては、そもそも始発駅までたどり着くことのコスト・時間ロスを考えると、非現実的かもしれません。
一方、筆者が実践していたのは、“とにかく早く家を出る”ことでした。
例えば、生命保険会社を例にとれば、業界共通試験(例.生命保険講座など)の勉強を“早朝オフィス”で行うことを心がけ、満点を獲得し上司に褒められました。
また、当日の担当役員が支社長経験者の方で、常に早く出社されていましたが、自分が早朝学習を継続することで、“あいつは誰よりも早く来て業務スタートする熱心な奴”と評価され、その後の昇進・昇給に有利な計らいを頂けたこともあります。(←もっとも、試験勉強をやっていただけではあるのですが)
いずれにせよ、始発駅に戻らずとも時差出勤を巧みに利用することで、楽な通勤スタイルが実現できることは、覚えておいて損はないようにも思います。
4.人との付き合い方
学生時代の“ノリ”とは大きく異なり、ご自身と気の合う仲間とだけ付き合っていれば良いというわけにはいかない場面に、残念ながら、数多く遭遇することも社会人としての宿命かもしれません。
もちろん、企業の収益最大化を目指す点で、経営陣だろうと新人だろうと同じ組織に属するものとしては共通目標だと思いますが。
一方、(上司へのゴマスリを含め)仕事熱心であるが故に、若い人々と交流を持とうとして、無理やり飲みに誘ったり(休日返上で)ゴルフに誘ったりという、昭和・平成・令和世代のコミュニケーションの取り方の(小さくない)差異があることも、また事実かもしれません。
幸い、最近のテレビCMなどで、“アルコールを無理に飲まなくてもエエネン!”という関西弁もありますが、懇親会を含めた職場での良好な人間関係構築は、いつの時代でも難しい面があるかもしれませんね。
くれぐれも、“対人関係を無理に良くしようとし過ぎて、ご自身のメンタルがヤラレテしまう”という本末転倒がないことを祈ります。
5.社内外のネットワーク
アクチュアリーであれば、日本アクチュアリー会を中心に社内外にアクチュアリーのネットワークがありますが、一般社員にとっては、社内はともなく、社外での人脈づくりは容易ではないかもしれません。
幸い、SNSなどで同業種の人々や趣味の世界での交流し易い環境下にありますので、積極的にネットワーク構築を行えば、公私ともに充実した社会人生活が過ごせるかもしれませんね。
6.逃げ道を作る
いざという時(例.配属先の上司がパワハラ・セクハラ体質だった等)に、自分で自分を避難させることができれば、少なくとも、心理的不安は和らぐように思います。
そのためには、いつでも転職できるだけのスキルと人脈を持つことに尽きるように思います。
幸い、筆者も転職を繰り返していますが、転職するたびに“新たな出会い”の機会を頂けたことは、大きな財産になっています!
少なくとも、肩書にしがみつく様な、つまらない社会人生活は送らないようにして欲しいです。
7.副業
いわゆる、“手に職をつけて”仕事をされている方々であれば、いざという時には、身に着けた技量で次の仕事を探すことができるかもしれません。
しかし、単なる事務処理だけで生計を立てている方々は、今すぐに何らかの資格や技量を身に着けることを強くお勧めします。
「芸は身を助ける」は、いつの時代でも通用する処世術の1つでしょう。
8.実力プラスα
アクチュアリーを含めた専門資格の所有者と、これまで数多く接する機会に恵まれましたが、充実した専門職ライフを過ごされている方々の知識・行動を見るたびに、ある一定の法則があるように感じます。
それは、「専門的資格」に加えて「他人との差別化」を図ることです。
例えば、アクチュアリーは、数学に強い理系人材が中心だが人と話すのが苦手、英語が苦手など、文系総合職からみると“一芸に秀でているが、総合職に不向き”と評価されることが少なくないように思います。
そこで、「専門的資格」に加えて「ITスキル(例.プログラミングなど)」や「語学力を生かしたグローバル活躍できるスキル」を磨くなど、他人との差別化を図ることも重要です。
ちなみに、筆者は、アクチュアリー候補生で採用いただいたにも関わらず、正会員になるまで相当時間を要してしまい、当時の上司から、“お前は本当に数学科出身なのか?”と揶揄された苦い記憶があります。
幸い(?)、“口八丁手八丁”で様々な困難を乗り切る“リスク回避力”は、同期と比べても高かったようで、これまで何とか生きながらえて居ます(笑)
9.短期的ビジョン vs 中長期的ビジョン
東京証券取引所に上場している会社は、『四半期決算(短信)』が義務付けられているようです。
また、勤務先の意思決定会議(例.システム委員会など)では、3末案件、6末案件という感じで、まさに“四半期ごとの業務サイクル”が徹底しているようにも思います。
特に、新社会人の立場としては、上司からの業務指示で忙殺され、合間を縫って、アクチュアリー試験対策等も身を粉にして対応せざるを得ない状況に巻き込まれる可能性も少なくないようにも思います。
是非、3カ月サイクルでご自身の将来ビジョンやキャリアプランの棚卸しなどを細目に実践されることで、明るい未来が自ずと開けてくるようにも思います。
一方、一般的な人事異動サイクルとしては、3~5年ごとが多いようですので、現在の仕事に取り組みながら、3~5年後には、どの部門でどういう仕事をしたいのかを出来るだけ具体的にイメージすることを心がければ、現在の仕事への取り組み方も変わってくるかもしれません。
10.お金と幸福感
「お金持ち=幸せ者」という価値観は、近代的資本主義の極みかもしれませんが、少なくとも生活水準を向上させるために「如何にして稼得能力を向上させるか?」という点は、多くの方々が強い関心を示すようにも思います。
ご案内の通り、生命保険会社のディスクロージャー資料(例.『●●生命の現状』などでは、社長の役員報酬(例.1億円超え!!!)が堂々と(?)開示されているにも関わらず、マスコミを中心とした『儲け過ぎ批判』はそれほど目にしないようにも思います。
もっとも、大手社ともなれば、10数万人の従業員を纏め上げる胆力と逞しい精神力が不可欠でしょうから、日々、胃がキリキリ痛む環境下で激務に耐えうる世界にドップリ浸かる立場との交換条件に過ぎないと割り切れば、己の身を削って幸福感を(後々に)得る構図に過ぎないのかもしれません。
https://president.jp/articles/-/69548?page=1
いかがでしたか。2026年度(正確には2025年度末)は、やはり何と言っても“経済価値ベースのソルベンシー規制”導入が大きなイベントですね。アクチュアリーのみならず、専門的資格を目指しながら世の中に貢献できる人材が一人でも多く現れることを、定年間近のロートル社会人として切に願うばかりです。
(ペンネーム:活用算方)
新社会人へのメッセージ