気になるニュース(2024年2月)


1月に引き続き2月に気になったニュースを幾つかピックアップしたいと思います。
なお、内容はすべて単なる個人的見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。

1.事故の教訓はいずこへ?

能登半島地震の翌日に生じた航空機事故は大変痛ましい事件ですが、特に、JAL側の乗客に死者が出なかったことに対して世界中から賞賛の声があがっています。
特に、ANAの地上勤務者の機敏な協力が救出劇をより一層豊かにしたことも、日本の航空業界のレベルの高さを再認識する貴重な出来事に貢献しました。
しかし、このような賞賛の声の裏で、リスク増大を許す環境が根付くことに一抹の不安を感じます。具体的には、ANAとJALのグループ会社の98人が国家試験をオンライン受験する際、教本を見ながら回答していた模様です。乗客の安全と安心を最優先すべき輸送業界であるまじき行為ですね。

アクチュアリー試験もCBT方式に移行していますが、このような事態を招く“品のない受験生”が決していないことを切に願うばかりです。
https://www.asahi.com/articles/ASS2P3HWFS2NUTIL03V.html?iref=pc_national_top#:~:text=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%BB%E7%BE%BD%E7%94%B0%E7%A9%BA%E6%B8%AF%E3%81%AE%E5%88%B6%E9%99%90,%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%89%E5%9B%9E%E7%AD%94%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%80%82

2.連生団信

筆者が新人の頃、他社の連生保険について営業現場から照会電話(例.対抗話法、商品開発予定など)が頻繁にかかってきた記憶があります。
始めたばかりの慣れない業務に埋もれてしまい、とてもアクチュアリー試験勉強どころではなかったので、生保数理(当時は、生命保険数学)の「下巻」まで深く理解する余裕はありませんでした。
単生命以外にも、教科書に登場する保険商品で実際に販売されているものがあるのだなあと、今となっては、しみじみ当時の状況を鑑みる余裕がでてきたのが、かえって悔しい気もします。

なお、個人保険(例.夫婦保険、こども保険など)以外に団体保険においても、モデルとして「連生保険」を考えることはもちろん可能であり、生命保険業界初の「ペアローン利用者の連生団体信用生命保険」は、まさに“車離れ、酒離れ、家離れ”が拡大する若者の価値観を、良い意味で大いに揺るがす存在になって欲しいと切に願います。
もっとも、“離婚したときに、この保険はどうなるのだろう。。。”とついつい、予防線を張ってしまいがちですが、実際の離婚では、保険どころではないのが実情かもしれません。
https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP668022_V00C24A2000000/

3.根回しやめます

以前お仕えした上司(社長)から、“保険業界と製薬業界は、未だに「昭和時代の行政だ!」”と憤慨したコメントをお伺いした強烈な思い出があるのですが、銀行業界も、やはり同じ状況が長らく続いてきた感じでしょうか。
“社内の意思決定のスピード向上策の一環”として「根回し」を取りやめることは、たとえ、原則論であっても若い行員の方々にとっては喜ばしいことかもしれません。もっとも、「根回し」を取りやめることで、かえって、“社内の意思決定のスピード”が遅くなることも危惧されるところではありますが。

メガバンクといえば、AIに仕事を奪われる窓口業務などで大きな業務改革を余儀なくされており、ATMなどが次々に統合・撤去されることをしばしば目にすることが多いのですが、その一方で、“有名芸能人を起用した高いCMと駅前一等地にそびえたつ高層ビル”が印象的です。あれ、このセリフ、どこかで言われた記憶が。。。生命保険の営業研修で最もためになると言われる“どぶ板営業”が妙に懐かしい気がします。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB074RA0X00C24A2000000/

4.少子化対策(その1)

世界初の「月保険」を提供する三井住友海上ですが、業界初の「卵子凍結保険」が4月から提供されるそうです。
利用者に無償で提供されることも大きなメリットですが、卵子の凍結保存にかかる費用が30~50万円のため、東京都の補助(最大30万円)と併用すれば、かなりの普及が期待されますね。
是非、少子化担当大臣からの“後押し(例.費用負担ゼロ!)”も期待したいところです。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000337897.html

5.少子化対策(その2)

小売業最大手だからこそできる“離れ業”かもしれません。
育児休暇中の手取り額を全額補償することで、男性の同休暇取得を促すことが狙いのようですが、収入減の不安が解消されれば、積極的に育児休暇を取得する動きが加速するかもしれませんね。
国の制度に先行する取り組みのようですが、是非、全ての業務や企業に拡大されることを期待したいところです。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78172700S4A200C2MM8000/

6.少子化対策(その3)

就職氷河期に加えて「結婚氷河期」も大きな社会的課題といえるでしょう。
婚姻数の減少に歯止めがかからず、2023年はついに50万組を割る見通しだそうです。今月16日に、少子化対策の拡充を盛り込んだ関連法案が閣議決定されましたが、早速、毎月負担が500円から1000円に引き上げられる雰囲気も漂っていますので、裏金問題に揺れる与党の「先生方」からすれば、選挙対策で必死な悲壮感がヒシヒシと伝わってきそうです。

2026年度時点で国と地方合わせた年3.6兆円という予算規模のようですが、国民一人当たり3万円の割り当ては、果たしてどこまでその効果があるのか甚だ疑問を感じずにいられません。(失礼!)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA155JW0V10C24A2000000/

7.少子化対策(その4)

少子化対策には、まず、異性との出会いを!という着眼点は大いに共感できますね。
「同窓会に補助金」を出す自治体が登場しましたが、「少子化対策に関しては、できることは何でもやるのが我々の思いだ」という県知事の力強い御言葉に勇気づけられた独身者も少なくないように思います。

もちろん、公金を支出する以上、補助金給付の条件が幾つかあるようですが、新型コロナ明けの“リアルつながり”として、“同窓会の出席者×千円を支給”という施策は、たとえ、麦酒2杯分程度の補助であっても、それ以上の効果を是非期待したいところです。
https://jisin.jp/life/living/2294446/?rf=2

8.手書き速記の幕

金融庁の某会合にオブザーバー参加させていただく機会があり、受付で係長の方に名刺をお渡しして指定の席に移動しようとした際、若い女性で髪の毛を少し赤く染めた方が、鉛筆と無地のレポート用紙「だけ」を机上に置いて、会合が始まるのを隣席でじっと待っておりました。
一瞬、金融庁のご担当者かな?と思い、名刺を手渡そうとしたところ、丁重にお断りされてしまいモヤモヤした気分になったのですが、これまでの経験上、拡張高い主務官庁での会合に、当然“それなりの”方々が参加されるものと(勝手に)思い込んでいて、何事もなかったかのように平静を装ってしまいました。
実は、会合が始まってすぐに、その方が速記者であることに気付きましたが。

今となっては、スマホの録音アプリで文字起こし機能を使い、ChatGPT(https://aismiley.co.jp/ai_news/8-recommended-meeting-summary-tools-in-collaboration-with-chatgpt/)なども併用すれば、議事録まで自動作成できるので、本当に便利な世の中になったなあとしみじみと感じております。
一方、音楽記号「フェルマータ」をひっくり返したような「形」だけで「内閣総理大臣」を意味するという、まさに、人類の知恵の結晶とも言うべき“速記”の世界が、また一つ、遠ざかることになったのは、とても残念でなりません。
参議院での「手書き速記」が134年の歴史に幕を閉じるようですが、記事中の“手書き速記者が使用するのは、シャーペンと書道用半紙”に、とうとうお目にかかれず仕舞いです。
アナログとデジタルの融合は、果たしてどんな未来を見せてくれるのでしょうか。
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/02180557/?all=1

9.別に御社じゃなくてもいい?

いよいよ本格的な「就活」時期を迎えますが、「エントリーシート添削」や「お祈りメール」といった特殊なワードが散乱する中、「別に御社じゃなくてもいいのです」という衝撃的なコメントがX(旧Twitter)でシェアされ大反響をよんでいる模様です。
売り手市場と言われる就職市場なので、ある程度、就職希望者が有利なことは認めざるを得ないのでしょうが、その会社に就職して多くのお客さまと関わっていく以上、最低限の社会人モラルが必要であることは異論がないように思えるのですが。。。

“採用面接で『なぜ弊社でなければならないのか』と聞くのは本当に止めたほうがいい」”というのが、(一部の)就活生の“心の声(=本音)”らしいのですが、会社側として『内定を出したのに蹴られたら困る』という切実な事情もありそうです。
https://www.j-cast.com/2024/02/12477759.html?p=all
なお、タレントのマツコ・デラックス氏が、某テレビ番組の生放送で、
“こんな投稿をXにしてるようなヤツは大した人間にならないわよ。”とコメントされたのが秀逸でした。採用面接経験者の一人として心から拍手を送りたいと思います。
https://hochi.news/articles/20240219-OHT1T51153.html?page=1

10.週5出社に逆戻り

新型コロナに端を発した大きな行動様式に「在宅勤務」が挙がりますが、筆者も在宅勤務が2年近くとなり、たまに電車に乗ると“妙な緊張感”が体を貫きます。
一方で、対面での仕事が避けられない仕事では、新型コロナ中であっても「出勤」が必要であり、そのおかげで多くの方々が恩恵を被っているのも事実です。
米国では、テスラなどの巨大企業が、社長の“鶴の一声”でオフィス出社を事実上強制したことが物議を醸していますが、アクチュアリーの仕事に限れば、必要なデータが入手できるという条件の下、少なくとも、作業する「場所」としてオフィスである必要性は乏しいようにも思います。
もちろん、チームメンバーと顔を合わせることで得られる良好なコミュニケーションは、オフィス出社が最も効率的手法かもしれませんが。

記事中の“前の会社では社長には、『会社に来ることが仕事だと思え』と言われました”という切実な声には同情するしかありませんが、未だに旧態依然としたこのような会社は、これを機に大いに淘汰されて欲しいですね。
子育て、親の介護など、多様な働き方を構築する際は、是非、国が主導となって環境整備を進めて欲しいと思います。少なくとも、パーティー券収入の配分を考える暇があれば、別の政策に注力して欲しいです。
https://www.businessinsider.jp/post-282232

いかがでしたか。今月は、“桐島●●やめるってよ”の●●に、思わず「逃亡」という二文字を当てはめそうになりましたが、モンタージュ写真で「彼」の隣にいた指名手配犯が逮捕されたニュースも2月1日に飛び込んできました。“キックバック”、“裏金”、“派閥解消”等で揺れ動く政界同様、様々な意味で“連座制”を彷彿とさせられた月でした。

(ペンネーム:活用算方)

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