2026年のアクチュアリー試験まであと数か月となり、受験生の皆様におかれましては、そろそろラストスパートに突入される時期かと存じます。
特に、第1次試験(基礎科目)については、2027年度から試験制度が大幅に改正されますので、来年度も見据えた試験対策(例.どの科目を優先的に受験する等)が早期合格の秘訣のように思われます。
そこで、今回のコラムでは、アクチュアリー試験のうち「第1次試験(生保数理)」について、重要な論点を幾つかご紹介いたしましょう。
1.昨年の合格率
以前のコラムでご紹介いたしました通り、2025年度の生保数理の合格率は29.4%(https://www.actuaries.jp/info/pdf/20260331.pdf)という比較的高水準でしたので、今年も難化が大いに予想されます。
したがって、今年の対策としては、昨年同様、過去問のうち、
1) 合格率が低かった年の過去問を重点的に学習すること
2) 特に、難問と呼ばれる過去問を重点的に学習すること
3) 用語の定義(例.観察死亡率など)を正確に覚えること
といった試験対策が合格への秘訣となるかもしれませんね。
2.合格率の推移、難問例
上記1.1)については、上記のリンクで過去の合格率推移がお分かりいただけますので、特に、合格率が低かった年度(例.平成16年度など)の過去問を重点的に学習されるとよいでしょう。
また、2)については、こちらをご覧ください。
3.Thieleの微分方程式
2020年度問題2(3)で、保険料払込方法が(一時払ではなく)平準払(=連続払全期払込)という条件で、Thieleの微分方程式に関する出題が初めてなされました。
初出ということもあり、Thieleの微分方程式を解くためのヒントが掲載されましたが、今後は当該ヒントがない形での出題が十分考えられますので、しっかりと復習された方がよいように思います。
4.副集団から主集団への異動
こちらも初出題ですが、平成29年度問題2(1)で、多重脱退表(例.死亡・就業不能脱退残存表など)における、“副集団から主集団への異動”を考えた問題が出されました。
特に、教科書(下巻)『第13章 就業不能(または要介護)に対する諸給付』では、当該異動は(モデルの複雑さから)考えないというスタンスですので、当該異動を加味した出題は、資格試験要領違反(=第1次試験(基礎科目)の出題は教科書に限定)であるかのような『誤解』を導く可能性も否定できませんが、筆者のみる限り、決して違反していないように思います。
興味のある方は、今一度、教科書(上巻)『第3章 多重脱退表』を再読ください。
5.5種類の死亡率
「単生命表における死亡率」、「中央死亡率」、「多重脱退表における(絶対ではない)死亡率」、「多重脱退表における絶対死亡率」、「観察死亡率」の定義がすぐに浮かんでくるレベルであれば、十分に合格レベルと言えるかもしれませんね。
特に、「中央死亡率」の「中央」とは、“分母が中央(=年始年末生存者数の和半)”である点を確りと押さえておきましょう。
6.2027年度以降の「生保数理」対策
年金数理との「科目統合」を考慮すれば、生保数理単独での最後の出題として、(信託)銀行の実務に近い「金利のみの世界」からの出題可能性が考えられます。
具体的には、教科書(上巻)『第1章 利息の計算』における伝統的頻出論点:『年払純保険料(養老保険)=年払純保険料(累減定期保険)+年払掛金(定期積金)』などをチェックしておくのも良いかもしれません。
また、年金数理人会試験の「基礎数理Ⅱ」を同会ホームページで入手して、過去問の範囲を拡大させるのも良いかもしれません。
いかがでしたか。昨年のコラムでも触れましたが、アクチュアリー試験は直前になればなるほど、緊張感のために、なかなか集中できない日々が続く可能性もあります。今回ご紹介した内容をしっかりと押さえた上で、良い結果につながることを祈念しております。
(ペンネーム:活用算方)