資格試験要領が公開されました


2023年度の日本アクチュアリー会資格試験((以下、「アクチュアリー試験」という。)につきまして、例年通り、7月上旬(今年は3日(月)13時20分頃)に「資格試験要領」が日本アクチュアリー会ホームページにて公開されました。
特に、今回の同要領は、従前に比べて改正点が多くありますので、初受験の方はもちろん、受験経験のある方も、細部までしっかり目を通すようにされるとよいでしょう。
そこで今回のコラムでは、同要領の改正点を中心に受験生にとっての注意点なども交えながらご紹介いたしましょう。

1.受験年齢引下げ

今回の資格試験要領では、今年3月末時点で満18歳以上の方々が受験できるように改正されました。これまでは、
① 大学3年生以上の者(4年制大学において、休学期間
を除き2年以上在学し、かつ62単位以上の単位を修得
した者)
② 高等専門学校卒業者
などの方々に受験資格がありましたので、2歳程度の「引下げ」となりそうです。

なお、本人確認書類として、例えば、運転免許証やパスポートなどをお持ちであれば「年齢」は一目瞭然ですが、「社員証およびクレジットカード」などの「組合せ」である場合は「年齢」が一目で分からないかもしれません。
このため、昨年以上に、受付で本人確認および年齢確認に時間がかかることが想定されますので、早めの会場入りが望ましいように思います。

新聞報道によれば、「高卒」の求人倍率がバブル期を上回る大幅上昇のようですので、高卒正会員が登場する日も遠くないかもしれませんね。もっとも、保険会社などでの総合職については、「大卒」という条件を撤廃することは容易ではないかもしれませんが。https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20230703-OYO1T50025/

2.日程

昨年から5日間の日程で「1日1科目」でしたが、今年は、4日間の日程で「3日目のみ第1次試験が2科目」となりました。
第2次試験の日程は昨年と同じく、1日目および2日目に1科目ずつですが、特に、第1次試験のうち「年金数理」と「数学」が(3日目の)午前・午後で受験する必要がありますので、仮に、いずれか一方のみを受験される場合でも開始時刻などに注意が必要かもしれません。

後述の通り、受験科目ごとで受験会場を変えることも「理論上」可能ですが、「年金数理」と「数学」を別会場で受験されることがないように注意しましょう。

3.申込期間の前倒し

新型コロナの蔓延で、昨年はアクチュアリー試験の申込期間が10月でしたが、今年は、少し前倒しされて、9月19日(火)10時~10月11日(水)19時になりました。
特に、9月下旬以降に夏休みなどの長期休暇を取得予定の方は、必ず、アクチュアリー試験の申込を済ませてから休暇に入るように注意しましょう。

4.本人確認書類

昨年から「社員証」および「学生証」について、写真付きであっても1点のみでの受験が不可となりましたが、「学生証」1点のみでも受験が可能となりました。
ただし、「学生証」については、所定の条件(例.発行元、顔写真の印刷処理など)がありますので、ご自身の「学生証」が当該条件を満たしているかを慎重に見極めましょう。

5.試験会場

昨年からCBT方式となったため、それまで東京および大阪のみであった受験地が、9か所(神奈川、埼玉、千葉、札幌、仙台、名古屋、京都、神戸、福岡)拡大されました。

一方、今年は、第1次試験および第2次試験で受験地が区分され、具体的には、

第1次試験:東京、神奈川、埼玉、千葉、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡。

第2次試験:東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪。

となりました。
特に、昨年、札幌、仙台、名古屋、京都、神戸、福岡で受験されて準会員になられた方は、第2次試験の受験地が昨年とは異なりますので注意しましょう。

6.受験料

昨年までは1科目当たり、「会員:7千円、非会員:1万円」という受験料でしたが、今年から会員/非会員の区分が廃止され、一律「8,500円」になりました。
なお、1科目以上に合格すれば「会員」になれますので、実質的な「値上げ」という見方もできるかもしれませんね。

7.合格発表

昨年は、2月24日(金)11時に合格発表がありましたが、今年は(来年)2月19日(月)11時頃の予定です。
CBT方式の導入前は、バレンタインデーの頃に合格発表がありましたが、CBT方式の導入で10日程度、合格発表が先送りとなっていました。今年は、ちょうどその間をとって5日間短縮された感じですね。

いかがでしたか。おかげさまで正会員になって20年以上が経過しますが、未だに、この時期になると資格試験要領を見ながら12月の試験本番に向かって、夏休みや祝日などの学習スケジュールを再点検した受験時代を、とても懐かしく感じています。
今回のコラムが受験生の皆さまにとって一助となれば幸いです。

 

(ペンネーム:活用算方)

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