気になるニュース(2024年3月)


2月に引き続き3月に気になったニュースを幾つかピックアップしたいと思います。
なお、内容はすべて単なる個人的見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。

1.ビルの建て替え(五反田TOCビル)

日本アクチュアリー会が主催する「アクチュアリー試験会場」としても利用されてきたビルが建て替えとなる模様です。ひょっとすると、同試験のCBT移行はこれが要因であったかもしれませんね。
新型コロナのおかげでリモートワークが推進されたのと同様に、このような大きなイベントのおかげで、CBTの様な新たな利便性が産み出されること自体は、受験機会拡大を含めて歓迎されるべき事象かもしれません。

1970年に完成された建物のようですので大阪万博も思い出されます。サザエさんの「タラちゃん」が同万博で迷子になったエピソードは、サブロー・シローの定番ネタでしたが、来年の大阪万博は、いったい誰が「迷子」になるのでしょうか。
https://shinagawa.keizai.biz/headline/4479/

2.ビルの売却(「赤プリ」跡の旗艦ビル)

プリンスホテルといえば、古き良き時代の「昭和全盛期」を彷彿とさせられますが、その中でも特に「赤プリ」と言えば、陣内智則氏の“大人の”ネタを思い出します。明石家さんま氏との絶妙なやりとりである、“それ、わしやないかい!”シリーズは、まさに鉄板ネタですね。
西武王国も、堤オーナーによる一連の脱税問題で大きな転換期を迎えましたが、やはり、科捜研の女などで一世風靡された沢口靖子氏との醜聞も、ファンの一人としては単なる噂であってほしいと切に願いたいものだと、未だに思っています。

“売却額が3,000億円を超えるとみられ”というフレーズを見て、先輩アクチュアリーから伺った“丸の内センタービル跡地(1000億円落札価格差異)”が思い出されます。
『昭和生命保険史料』に続いて、生命保険協会から『平成生命保険史料』が刊行される日が来た場合、保険会社の破綻処理と同等に遺されるべき史実かもしれませんね。
https://jp.reuters.com/markets/japan/GDCNPF4W7ZMBNDEPLRBIMNAKII-2024-03-22/

3.1,000,000,000,000,000円(その1)

30年以内に70%の確率で発生すると言われている首都直下地震で日本経済に1000兆円超の被害が出る可能性があることが、土木学会による報告書で公表された模様です。
以前、ミュンヘン再保険会社のセミナーにお邪魔した際には、100兆円規模の被害額を見た記憶がありましたが、土木学会による報告書で当該数値が1桁増えた背景には、昨今の物価上昇が影響しているかもしれません。

首都直下地震も心配ですが、それ以上に心配なのは、工事責任者や管理者はいくら給料積んでも人手が足りないという点です。ドライバー不足、医師・教師の残業規制など、高度経済成長期の経済発展がある種の「しわ寄せ」を特定の仕事に課してきたとすれば、経済優先で命を粗末にするという誠に本末転倒な背景を是正するチャンスとなって欲しいところです。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1054043?display=1

4.1,000,000,000,000,000円(その2)

“国債発行残高=国(民)の借金”という構図に真っ向から反論する著名経済学者もいらっしゃいますが、まさに、“額面通りに受け止めると”税収で返済する必要がある普通国債の発行残高が去年12月末に初めて1000兆円を超えたことが財務省から発表されました。

日銀による“マイナス金利政策”の終了で、ますます金利が上昇した場合、利払い費も急増することの警鐘がならされていますが、金利上昇によるメリットもあるため、両者をうまく組み合わせた経済政策を採用することで国の発展に資することができるかは、まさに、政官財の連携が必須と言えるのでしょう。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/323384?display=1

5.AI(その1)

自動車産業を中心とした重厚長大分野で世界をリードした日本の経済活動もIT分野での出遅れ感が否ません。辛うじて(失礼!)ニコニコ動画のような国産プラットフォームのおかげで「技術大国」としての日本のメンツを保っている感もありますが、やはり、YouTubeに比べると見劣り感は否めませんね。
東大発のスタートアップ企業が国内最大規模の国産の生成AIを完成し、特に、日本語に特化する戦略で対抗する狙いのようですが、この“日本語に特化する戦略”という点に、大いに期待したいところですね。

ちなみに、大ファンでもある、俳優の池田イライザ氏と会社名「イライザ」との間に何か関係あるのか、CM起用の俳優となるのか、等々。大いに注目されます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240312/k10014388011000.html

6.AI(その2)

“AI技術に安全性や信頼性確保を”という初めての決議案が、国連総会で“無投票で採択”された模様です。
特に、この“無投票”という点は、昨今の地政学リスクを鑑みた場合、“AI技術に関する安全性や信頼性確保”が環境問題と同様、国際社会が一丸となって協力すべき共通課題であることを示唆しているように思います。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240322/k10014398891000.html

7.残業代込みでも初任給?

キャッチーな見出しを付して「再生回数」を爆上げする行為は、動画の世界に限ったことではないかもしれません。加熱する“初任給騒動”において、ついに、こともあろうに、“一定時間の残業代込み”で初任給を試算して『月給40万円』という見出しが見事に(?)一人歩きしているようです。
https://www.fashionsnap.com/article/2024-03-12/tokyobase-wages/

初見の際、“ファッション業界も景気の良い会社があるんだなあ。。。”と羨ましく思っていましたが、ふたを開けてみると“実は「公序良俗に反して無効」の可能性”というご指摘が弁護士からなされた模様です。
具体的には、「固定残業代80時間分」が加味されている模様で「36協定の問題」が生じるとのことです。

なお、TOKYO BASEに実際の平均残業時間と36協定締結の有無について取材を申し込んだものの期限までに回答が得られなかったようですので、今後の行く末が非常に気になるところです。
https://www.j-cast.com/2024/03/14479662.html

8.上司からの連絡を「無視」できる法律!?

サラリー・パーソンにとっては夢のような法律が制定された模様です。具体的には、“勤務時間外の上司からの電話等を無視する「権利」を労働者に認める法律”が豪州で制定されたとのことです。
無論、雇用者側からは「柔軟な働き方への動きを損ない、競争力に影響を与える」と猛反発されているようですが、日本を含めて世界中で大きな議論につながる可能性がありますね。

「連絡を断ち切る権利(The“right to disconnect”)」と呼ばれるようですが、サービス残業をなくして労働者のワーク・ライフ・バランス改善を狙うという視点は、大いに期待したいところですね。同様の法律がフランスやスペインなどのEU諸国で施行済という点も追い風となるかもしれません。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_65e6c12de4b0d2a2475a86d1

個人的には、妻や思春期の娘から、“right to disconnect”されないように注意したいところですが。

9.寿命を78%の確率で予測?

科学者チームが開発した「寿命予測AI」を用いて600万人の年齢などのデータ分析を行った結果、2020年までに死亡した人を78%の確率で予測できた模様です。
果たして、自分自身の『寿命を知る』ことが生活を豊かにするのか、むしろ、自暴自棄となる人を増やして結果的に犯罪が増えるのでは?など、様々な思惑がますます蠢く世界が到来しそうですね。。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6a4fd95499bed5461a66bb9c56a2e8eb7cc8bb03

ちなみに、遺伝子情報などの機微情報を生命保険のプライシングや引受基準に活用することは御法度ですが、一方でAIによる寿命予測が高度化すれば、“2回目の還暦を迎える人”が積極的に(保証期間なし)終身年金に加入する事態にもなり兼ねないですね。

10.新たな360°評価?

部下ではなく、『学生』が面接官を5段階評価する時代になりました。
具体的には、採用面接終了後に学生が面接官を5段階評価する制度でして、面接の雰囲気や満足度などが評価項目のようです。
流石に、学生からの回答は完全匿名で採用結果にも影響しないとのことですが、面接官には回答がフィードバックされるようですので、よりよい相乗効果が産まれることを期待したいですね。

https://www.chibacari.com/charge/005399/

11.再発防止策!?

社長交代に併せて『役員の飲酒監視ルール』を新設する前代未聞の大企業の登場です!
女性への不適切行為が相次いたことが発端のようですが、いい年を召された”優秀な経営陣の面々”に対して、会食時に飲酒しすぎていないか同行者が監視するルールを新設されるとのことです。監視されて飲むお酒は、心底楽しめるのか甚だ疑問ではありますが。。。https://news.yahoo.co.jp/articles/237453b7f34e30798b107b886dc37585d9981419
まあ、ガソリン等のアルコール産業としては、お酒という名のアルコールに対しても会社ぐるみでコントロール必要性に迫られた何とも皮肉な結果かもしれませんが、恥を忍んで大ナタを振るう会社は応援したいですね。

12.4年に一度の“ミレニアム”!?

閏年の影響で運転免許センターのシステムトラブルが発生し、免許の発行や更新などができないトラブルが相次いだ模様です。神奈川県に加えて、新潟、愛媛、岡山でも同様のトラブルが発生したようですので、本事案が原因で一時的にも“無免許状態”となってやむを得ず自動車などを運転した場合、警察の対応も気になるところです。(←もちろん、大多数の善良なる日本国民としては運転しないという賢明な判断をされるとは思いますが)
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202402290000338.html

ちなみに、2月29日は房総半島近くで地震が多発した日でしたが、メジャーリーグの大谷選手の結婚のニュースでも“大きく揺れた”1日でした。まさか、スポーツ賭博のニュースにまで繋がることは、この時点では誰も予想しなかったでしょう。

13.宝くじ1等が「20倍」!?

インターネット専用宝くじで「1等200万円を10本」などと設定されたはずの本数が、“売りさばき業者”であるメガバンクが、誤って「1等200万円を「200本」」で設定し、販売していた模様です。
既に1等200万円が27本などと出ているようで、いつぞやの“1円で61万株売ります事件!”を彷彿とさせる一大事件ですね。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1038135?display=1

ちなみに、プライシング・アクチュアリーが営業保険料(の計算基礎率)設定を誤った場合と事象が類似していますが、宝くじの場合には、予め“当たる確率”が確定しているのに対して、保険契約においては“保険事故発生率”は事前に確定しない点が“宝くじと保険の違い”ということを損保数理の本で読んだ時のことを思い出しました。

14.新3K!?

「3K」と聞いて結婚相手(特に、男性側)に求める条件を思い出すのが、我ら「昭和世代」ですね。(大票田の)建設業界で未来への前向きな「新3K(=給料がよく、休暇が取れ、希望が持てる産業)を政府主導で推進して、これまでの負のイメージ(=きつい、汚い、危険)を払拭することが目指されるようですが、あらゆる業種でこのような取り組みを是非、政治力をフル活用しながら進めていって欲しいと切に願うばかりです。
https://mainichi.jp/articles/20240308/k00/00m/010/021000c

いかがでしたか。3月は、確定申告(所得税、住民税)期限でした。納税は“国民の義務”ですので、常に正しく『上納(=おカミにオサめる)』しなければなりません。一連の週刊誌報道では、(お金でなく)“女性を上納するシステム”が話題になっていますが、『裏金』を含めて「国民の御一人でもある」政治家の先生方にも、正(直)しく税金を『上納』して欲しいなあと思う月でした。

(ペンネーム:活用算方)

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