以前の当コラム『追試にみるCBTの課題』でご紹介しました内容に関する続報が公開されました。
そこで、今回のコラムでは、当該続報の内容をご紹介しながら、再発防止策の実行可能性などについて、私見を述べたいと思います。
1.追試対象者
44名の受験生が本件トラブルに巻き込まれて、問題の読込みがタイムアウトされ、再起動等が行えず、開始10分程度で試験続行が不可能となった模様です。
なお、当該44名中、合格者の人数が不明ですので、追試問題と同様に、是非、合格者数を公開して欲しいと思います。
2.不具合の原因
日本アクチュアリー会による調査の結果、不具合の原因が以下の2点に集約されることが判明されました。
(1)PC環境
会場毎に資格試験以外の用途を含む複数のPC環境を許容していたため、特定の会場だけでPCのパフォーマンスが低下。
(2)不十分な事前動作確認
事前の動作確認が不十分であったため、特定の会場でPCのパフォーマンスが低下するという事実を事前に検知できなかった。
3.責任の所在
今回の情報でも、責任の所在がどちらにあるのかが不明でした。
いわゆる業務委託関係にあるもの同士では、不測の事態に備えて、責任の所在を事前に明確にすべきと思います。
4.再発防止策(その1)
PCのOSを資格試験専用で利用することを必須として、外部アプリケーション等による負荷を完全に排除する模様です。
これまでプロメトリック社のPCは、資格試験専用でなかったことも驚きですが、恐らく、アクチュアリー試験の場合には、受験者数が多かったり、入力文字数が多かったり、これまでの資格試験では見られなかった過度な負荷がPCにかかったのかもしれません。
5.再発防止策(その2)
専用のダミーテストを作成した上で、全会場の全PCにおいて、本番同等の負荷がかかる環境での動作確認が実施される模様です。
ダミーテストの内容は不明ですが、全会場・全PCで本番同等の負荷をかけることで、本番の環境耐性を確認する意図と思われます。
6.再発防止策(その3)
通信機器やPCの故障に備え、各会場に予備的な配信方式や予備機・予備席が確保される模様です。
また、不必要にPCに負荷をかけないような作問も工夫されるようですので、第2次試験(専門科目)の出題形式がこれまでと変わる可能性もありますね。
7.今後に向けて
人が行う以上、様々な事務ミスは不可避の状況にありますが、受験生としては、不測の事態が生じたとしても、常に冷静沈着な行動が求められるように思います。
いかがでしたか。新年度がスタートしましたが、今年は特に、第1次試験(基礎科目)の現行制度が最後の年になりますので、研究会員の方々におかれましては、できるだけ多くの科目合格(例.生保数理と年金数理の同時合格など)を目指す必要がありますね。
また、第2次試験(専門科目)を受験される方におかれましては、PC不具合に備えて1月下旬の再試験の可能性を意識しながら、できるだけ長く記憶するように広く深く学習するスタンスが必要と思われます。
(ペンネーム:活用算方)
2026年05月29日 (金)
CBT不具合の原因と再発防止策