資格試験要領の公開


2021年度のアクチュアリー試験に関する資格試験要領が、例年通り、日本アクチュアリー会から公開されました。

昨年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、8月下旬に、再度、同要領が公開されましたが、ワクチン接種もスタートして、今年も予定通り試験が開催されるといいですね。

そこで、今回のコラムは、今年の資格試験要領で注目される点や資格試験要領公開後の学習上の注意点などをご紹介いたしましょう。

1.テキスト改訂

2021年3月9日 (火)のコラム「アクチュアリー二次試験テキスト改訂」でご案内の通り、第2次試験(専門科目)のうち生保コース(生保1、2)のテキストが今年3月に改訂されました。https://www.vrp-p.jp/acpedia/2589/

なお、テキスト改訂直後の出題としては、第Ⅰ部(知識問題)での出題可能性が高いと思われますので、改訂前後の新旧対比表を自ら作成して、改訂箇所から予想問題も作成できれば学習スタイルとしては申し分ないでしょう。

2.ALMイシューペーパー

従来、アクチュアリージャーナル第98号(P 57~81)「IAISのALMイシューペーパー」が教科書として列挙されておりましたが、生保2のテキスト改訂により、『第4章 リスク管理』に含まれることとなりました。

なお、資格試験要領には、“教科書に保険2(生命保険)第4章を追加し、IAISのALMイシューペーパーは第4章に含まれるため削除”とありますので、当該ジャーナルの情報がテキストのどのページに含まれたのかをチェックするとよいでしょう。

3.標準生命表2018の作成過程

昨年に引き続き、生保1および生保2とも、出題範囲に含まれています。
なお、作成過程の単純な“穴埋め問題”等は既に出題済と思われますので、第Ⅱ部(論述問題)としての出題を意識しながら、予定死亡率に関する過去問を重点的に学習されてもよいかもしれません。

4.試験日程

昨年8月26日に公開された資格試験要領(7月からの変更版)の日程と、ほぼ同じ日程となっています。

なお、午後の試験開始時刻が引き続き15時からになっていますので、一昔前よりも1時間長い昼休み時間を有効活用することが合格への秘訣かもしれませんね。

5.電卓

資格試験要領の本文の表記は昨年と同じですが、『別紙(2)「使用不可の電卓例」』が更新されている模様ですので、最新版の資料をチェックしておきましょう。

6.受験申込期間

2021年9月1日(水)から2021年9月24日(金)正午までになります。
なお、資格試験要領にも※印で記載されているとおり、例年とは受付開始時期が異なり、かつ、期間短縮(昨年よりも1日短い)される点にご留意ください。

7.CBT試験(2022年以降)

資格試験要領には記載されていませんが、日本アクチュアリー会ホームページの「お知らせ全般」で、「2021年7月1日 日本アクチュアリー会 資格試験のCBT(=Computer Based Testing)への移行について(http://www.actuaries.jp/info/Z20210701.html)」が公開されました。

具体的には、2022年度以降の試験から、
1)紙による試験から、CBTへ移行予定
2)東京・大阪以外でも受験可能となる見通し
3)新型コロナなどの感染症拡大による受験機会喪失リスクの抑制等が期待
4)ただし、試験開催時期、回数及び受験料の変更や、試験科目及び試験範囲の大幅見直しは現時点では予定せず
などとなる模様です。

なお、CBT移行後の運営等は外部委託予定ですので、業界共通試験を実施している生命保険協会のホームページ(https://www.seiho.or.jp/exam/cbt/)のCBT試験の体験版(https://www20.prometric-jp.com/tutorial/index.html)を用いて、電卓操作などを含めた操作方法に慣れ親しんでおくことも効果的と思われます。

いかがでしたか。昨年に引き続き、在宅勤務中心の生活を送られている受験生の方々も多いかと存じますが、通勤時間の分だけでも勉強時間が単純に増える生活を最大限に活かしながら試験勉強に臨んでいただけることをお祈りしております。

(ペンネーム:活用算方)

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