投稿日:2025.05.12/最終更新日:2025.12.25

公認会計士

公認会計士がダブルライセンスで目指すべき資格とは?

公認会計士がダブルライセンスで目指すべき資格とは?
「公認会計士の資格だけで、この先も安定してやっていけるのだろうか」

そんな不安を抱えていませんか?変化の激しいビジネス環境の中で、会計・監査の枠を超えたスキルの必要性が高まっており、いま多くの会計士が“ダブルライセンス”という選択肢に注目しています。

税務や法務、経営支援など、多様な資格を掛け合わせることで、キャリアの選択肢は飛躍的に広がります。

本記事では、公認会計士と相性の良い資格や、ダブルライセンス取得のメリット、失敗しない資格選びのポイントを詳しく解説します。
著者画像

この記事の著者

VRPパートナーズ編集部

VRPパートナーズ 編集部です。アクチュアリー・公認会計士・税理士・IPOに関係する話題を配信していきます。日々の業務や転職にぜひご活用ください。

目次

全部見る

▼あなたの状況に合わせて最適な選択肢をご提案します。
まずは気軽にご相談ください。

会計士に特化した転職支援サービスはこちら

Table of Contents

なぜ今、公認会計士にダブルライセンスが求められるのか

会計や監査のプロフェッショナルとして評価される公認会計士ですが、近年は“もう一つの専門性”を備えることの重要性が増しています。会計士の資格だけでは将来的なキャリアに不安を感じる人も少なくなく、ダブルライセンスを通じて市場価値を高めたいと考える動きが広がっています。ここでは、公認会計士がダブルライセンスを目指す主な理由について解説します。

キャリアの選択肢が広がるため

ダブルライセンスを取得する最大のメリットの一つが、キャリアの選択肢が広がることです。例えば、税理士資格を取得すれば税務分野にも精通した人材として活躍の幅が広がり、社会保険労務士を取得すれば人事・労務分野との連携が可能になります。公認会計士の業務が必ずしも一生監査に限られるわけではないことを考えると、将来的に異なる分野にも関心を持ち始めた際に、他の資格を持っていることでキャリアチェンジがスムーズになります。

専門性が高まり競争力が増すため

ダブルライセンスは「幅を広げる」だけでなく、「深さを加える」ことにもつながります。たとえば、M&A支援や財務デューデリジェンスを担うFAS(Financial Advisory Services)部門では、会計知識に加えて法務や税務の知識がある人材が重宝されます。ビジネスの現場では、単一の専門知識では対応できない複雑な案件も多く、複数の資格を持つことで他者との差別化ができる点は、大きな競争優位となります。

独立・起業にもつながるため

将来的に独立や起業を視野に入れている公認会計士にとっても、ダブルライセンスは大きな武器となります。例えば、税務や法務の知識があれば顧客へのワンストップサービスを提供でき、信頼の獲得やリピートにもつながります。また、ビジネスを運営するうえで必要な知識を資格取得を通じて体系的に学べるため、経営者としての判断力や視野も広がります。資格取得は単なるスキルの証明にとどまらず、ビジネスの土台づくりにも直結するのです。

市場ニーズの変化に対応するため

近年、公認会計士を取り巻く市場環境は大きく変化しています。従来の会計監査を中心とした業務に加え、コンサルティング業務や経営支援、ITや金融領域を含む総合的なサポートを求める企業が増加しており、会計士に求められる役割も広がっています。特に監査法人やコンサルティングファームでは、単に会計学や監査の知識を持つだけでなく、業界理解やマネジメント能力、英語力など、複数のスキルを組み合わせた人材が評価される傾向が強まっています。

また、企業側の採用方針も変わりつつあります。近年の人材戦略では、会計監査だけでなく、経営コンサルタントや経理、内部管理まで対応できるスペシャリストを求めるケースが増えており、公認会計士資格単体では差別化が難しくなっているのが実情です。そのため、自身のキャリアパスを考えるうえで、税務や法務、中小企業支援など、別の専門分野を掛け合わせるダブルライセンスが有効な選択肢として注目されています。

公認会計士と相性の良いダブルライセンス資格

公認会計士としての専門性を軸に、もう一つの資格を掛け合わせることで、より多面的なスキルを持つ人材として活躍の場が広がります。ここでは、公認会計士と特に相性が良いとされるダブルライセンス資格について、それぞれの特徴とメリットを紹介します。

USCPA(米国公認会計士)|国際業務や外資系企業に強くなる

USCPAは、グローバル企業との取引や海外案件を扱う機会が多い会計士にとって非常に有効な資格です。特にBig4のアドバイザリー部門や外資系企業では、国際会計基準(IFRS)や米国基準(US GAAP)に対応できる人材が重宝されており、英語力と国際的な視点を兼ね備えたUSCPA保持者は高い評価を受けています。

税理士|税務業務への展開・独立に有利

税務分野に進出したい公認会計士にとって、税理士資格の取得は王道とも言えます。監査経験を活かして顧問業務や申告業務に携わることができ、独立開業にも有利です。また、税理士資格があることで、企業の経営者とより深い関係を築ける可能性も高まります。

弁護士|法務・M&Aなど複合的な案件に対応可能

会計と法律の両方に強みを持つ人材は、M&Aや企業再編、訴訟対応など複合的な業務において圧倒的な価値を発揮します。弁護士資格は取得難易度こそ高いものの、会計士とのダブルライセンスは非常に希少で、企業法務やフォレンジック調査などの分野でも引く手あまたです。

行政書士|書類作成や許認可対応まで対応領域を拡張

行政書士は、法人設立や許認可、契約書作成など、企業のバックオフィス業務を支える役割を担います。公認会計士としての知見に行政書士のスキルを掛け合わせることで、スタートアップ支援や中小企業支援の幅が広がり、顧客対応の柔軟性が向上します。

不動産鑑定士|不動産関連のアドバイザリー業務で強みを発揮

不動産鑑定士は、不動産の価値評価に関する専門資格であり、デューデリジェンスや担保評価、資産の時価評価などに関与する際に活躍の場があります。不動産投資ファンドやM&Aにおける不動産評価を伴う案件では、公認会計士とのダブルライセンスが重宝されます。

中小企業診断士|経営コンサルや事業再生にも対応可能

中小企業診断士は、企業の経営課題を分析・改善する国家資格です。財務面に強い公認会計士がこの資格を取得することで、財務データに基づいた経営支援が可能になり、FASや事業再生、経営コンサルティングなどへの応用が期待されます。

社会保険労務士|人事労務・内部統制など管理部門に強くなる

社会保険労務士は、人事労務管理や社会保険手続きに関する専門家として、企業のコンプライアンス体制強化に貢献します。公認会計士のガバナンスや内部統制の知識と相まって、より包括的なリスクマネジメントを担うことができ、上場企業やIPO準備企業への支援にも役立ちます。

会計士に特化した転職支援サービスはこちら

結局、おすすめの資格はどれ?

結論から言うと、多くの公認会計士にとって現実的におすすめしやすいダブルライセンスは、USCPAまたは中小企業診断士です。理由は、既存の会計知識を活かしやすく、比較的短期間で取得を目指せるうえ、取得後のキャリアの選択肢が広がりやすいからです。

USCPAは、英語というハードルはあるものの、会計士として培った会計・財務の理解をそのまま活用できます。グローバル案件への関与や、外資系企業、FAS(Financial Advisory Service)領域への接続を意識する場合、実務との親和性が高い資格です。英語力の向上も含めて中長期の市場価値を高めたい人に向いています。

中小企業診断士は、会計に加えて経営戦略や業務改善、組織論などを体系的に学べる点が特徴です。監査や会計業務にとどまらず、クライアントの経営課題に踏み込んだ支援を行いたい人に適しています。コンサルティング的な視点を身につけたい会計士にとって、実務イメージを広げやすい資格といえます。

一方で、弁護士や税理士、不動産鑑定士といった資格は、取得できれば専門性は大きく広がるものの、学習期間が長期化しやすく、働きながらの取得難易度は高くなります。そのため、最初のダブルライセンスとして選ぶよりも、キャリアの方向性が明確になった段階で検討する方が現実的です。

ダブルライセンス選びで重要なのは、「最も難しい資格」を取ることではなく、今の働き方を大きく崩さず、次のキャリアにつながる資格を選ぶことです。まずは取得可能性が高く、実務と直結しやすい資格から挑戦し、キャリアの手応えを確かめながら次の一手を考えることが、結果的に遠回りしない選択になりやすいと言えます。

ダブルライセンス資格の難易度・学習期間・費用の比較

資格の難易度は試験問題の難しさだけで決まるものではありません。学習範囲の広さや理解重視か暗記重視かといった特性に加え、社会人として確保できる学習時間によって体感難易度は大きく変わります。また、費用についても受験料だけでなく、教材費やスクール費用、再受験時の追加コストを含めた総額で考える必要があります。

短期取得しやすい資格(USCPA・中小企業診断士など)

USCPAは州や受験方法によって異なりますが、一般的に1科目あたり約350ドル前後の受験料がかかるとされています。日本から受験する場合、手続き費用なども含めると総額で50万円前後になるケースもあります。学習時間の目安は1,000〜1,500時間程度とされますが、英語力や会計知識の前提によって前後します。

中小企業診断士の受験手数料は、一次試験が14,500円、二次試験が17,800円と比較的明確です。学習時間の目安は約1,000時間とされることが多く、予備校を利用する場合は講座費用が数万円から数十万円まで幅があります。独学で進めるか、講座を活用して効率を重視するかによって、費用と時間のバランスは大きく変わります。

学習負荷が大きい資格(弁護士・税理士・不動産鑑定士)

弁護士資格を目指す場合、司法試験の受験手数料は28,000円ですが、負担の中心は費用よりも学習時間と期間です。司法試験合格までに必要な学習時間は3,000〜8,000時間程度とされ、法科大学院ルートでは合格までに6年前後かかるケースもあります。公認会計士として働きながら挑戦する場合、学習計画が崩れると長期化しやすい点に注意が必要です。

税理士試験は1科目4,000円、2科目以上の場合は追加1科目ごとに1,500円が加算されます。合格までに必要な学習時間は2,000〜3,000時間、期間は3〜7年が一般的とされており、科目選択や免除の有無によって負荷が大きく変わります。

不動産鑑定士試験の受験手数料は、電子申請の場合12,800円です。不動産評価という専門分野を習得できる点で会計士との相性は良いものの、短答式試験と論文式試験の両方に対応する必要があり、継続的な学習時間の確保が求められます。

費用・スクール活用の有無

資格取得にかかる費用は、一発合格を前提に見積もると実態と乖離しやすくなります。USCPAのように科目ごとに受験料が発生する資格では、再受験が重なるほど総額が膨らみます。中小企業診断士は受験料自体は把握しやすいものの、講座利用の有無によってトータルコストに大きな差が出ます。

スクールを利用するかどうかは、知識習得そのものよりも、学習を継続する仕組みやアウトプット環境を重視して判断するのが有効です。添削や答練が重要な試験では、必要な部分だけ講座を活用するなど、部分的な利用も現実的な選択肢になります。

ワークライフバランスを保つための学習戦略

ワークライフバランスを維持しながら学習を続けるためには、気合や根性よりも設計が重要です。平日は短時間でインプット中心、休日はまとまった時間でアウトプット中心と役割を分けることで、限られた時間でも進捗を実感しやすくなります。

また、論述や記述が求められる試験では、知識が揃ってから演習を始めるのではなく、早い段階から型を意識したアウトプットに触れる方が、結果的に負担を抑えられます。さらに、「3カ月間で一定の学習時間を確保できなければ受験時期を見直す」といった撤退基準をあらかじめ設定しておくことも有効です。

ダブルライセンスは、資格を増やすこと自体が目的ではありません。現在の働き方や生活を大きく崩さずに積み上げられる資格から着手し、状況に応じて軌道修正していく姿勢が、長期的には最短ルートになりやすいと言えます。

ダブルライセンス取得で得られる主なメリット

公認会計士が新たな資格を取得することには、単なるスキルアップにとどまらないさまざまな利点があります。業務の幅が広がるだけでなく、キャリアの自由度や市場価値も大きく向上するため、長期的に見てもダブルライセンスは非常に有効な戦略と言えます。以下では、その代表的なメリットを解説します。

収入アップにつながりやすい

ダブルライセンスを保有している人材は、希少性の高い専門職として評価されやすく、報酬水準にも反映されることが多いです。たとえば、会計と税務の両方に対応できることで単価の高い業務を受注しやすくなったり、M&Aやフォレンジックなど専門性の高い領域で高額案件に携われるようになるなど、直接的に収入アップへつながる場面が多く見られます。

転職や独立で有利になる

資格の掛け合わせにより、自分の強みを明確に打ち出せることは、転職活動や独立時に大きな武器となります。特に近年の転職市場では、「即戦力かつ専門性の高い人材」が求められており、ダブルライセンス保持者はそのニーズに合致しやすいです。また、独立後も複数の分野にまたがったサービス提供が可能となり、集客や信頼構築においても優位に立てます。

企業内でのキャリアアップに貢献する

企業の中で働く会計士にとっても、ダブルライセンスは昇進や異動、ポジションアップのチャンスを広げる要因になります。たとえば、社内のガバナンス部門や経営企画部門、法務・総務など横断的な業務に対応できることで、管理職候補としての期待が高まりやすくなります。専門分野に閉じず、経営視点を持つ人材としての評価が加わる点も大きなメリットです。

複数の専門分野に対応でき、信頼が得られやすい

クライアントワークを中心に活動する場合でも、社内業務で調整を担う場合でも、「一人で複数分野に対応できる」という点は大きな強みです。たとえば、税務と法務、会計と不動産など、分野横断的に知識を持つ人材は、「この人に相談すれば安心」という信頼を得やすくなります。信頼は長期的な人間関係やリピートにもつながるため、キャリアを安定させる要因にもなります。

会計士に特化した転職支援サービスはこちら

ダブルライセンスを取得する際の注意点と戦略

ダブルライセンスの取得は、多くのメリットがある一方で、時間や労力、費用といった負担も伴います。目指すべき資格を正しく選び、計画的に取り組まなければ、モチベーションの低下や目的のブレにもつながりかねません。ここでは、公認会計士がダブルライセンスを目指す際に知っておきたい注意点と、失敗しないための戦略について解説します。

資格ごとの難易度や学習期間を把握する

資格によって試験制度や難易度、合格までに必要な学習時間は大きく異なります。たとえば、弁護士のように司法試験を要するものは長期的かつ高負荷な勉強が必要ですが、行政書士や中小企業診断士などは比較的短期間での取得も可能です。現在の業務やライフスタイルを踏まえて、無理のないスケジュールで学習を進められる資格を選ぶことが、継続と合格の鍵となります。

公認会計士としての経験を活かせる資格を選ぶ

せっかく新たな資格を取得するなら、これまでの経験や専門知識を活かせる領域を選ぶのが得策です。会計士のバックグラウンドを活かせる資格としては、税理士や不動産鑑定士、USCPAなどが挙げられます。これにより、学習効率が高まり、実務との親和性もあるため、資格取得後にすぐ業務に結びつけることが可能になります。キャリアの一貫性を意識することは、転職市場でのアピールにもつながります。

業務負担とワークライフバランスのバランスを考える

働きながら新たな資格取得を目指す場合、日常業務との両立は大きな課題となります。繁忙期やプロジェクトの兼ね合いによっては、学習時間の確保が難しくなることもあります。勉強と仕事の両立が長期的に続かないと判断した場合には、思い切って学習期間中は業務量を調整したり、キャリアのタイミングを見直したりするのも一つの方法です。無理に突き進むのではなく、健康や家族との時間なども含めた全体最適を考えることが、長期的な成功につながります。

将来のキャリアに迷ったらVRPパートナーズへ相談を

ダブルライセンスの取得は、公認会計士としてのキャリアを飛躍的に広げるチャンスである一方で、自分に合った資格選びや学習の負担、将来像の見極めなど、悩みや迷いがつきまとうものです。そんなときに頼りになるのが、会計士の転職支援に特化したエージェント「VRPパートナーズ」です。

VRPパートナーズは、公認会計士としてのキャリアやスキル、ライフプランを丁寧にヒアリングしたうえで、あなたの可能性を最大限に引き出せるキャリアプランを提案します。FAS(Financial Advisory Services)やアドバイザリー領域への転職支援はもちろん、ダブルライセンス取得を見据えた将来的なキャリア構築にも対応。監査経験を活かしながら、新たなステージへと踏み出すためのパートナーとして、多くの実績と信頼を築いてきました。

「このまま監査だけでいいのか」「もっと専門性を高めたい」「独立に向けて準備を始めたい」といった将来への不安や希望を、ぜひ一度、VRPパートナーズにご相談ください。プロの目線から、あなたに本当に必要な選択肢を見つけるお手伝いをいたします。

会計士に特化した転職支援サービスはこちら

まとめ

公認会計士がダブルライセンスを取得することは、キャリアの選択肢を広げ、専門性と市場価値を高める有効な手段です。USCPAや税理士、中小企業診断士など、自分の志向や業務内容に合った資格を選ぶことで、転職・独立・昇進といった将来の可能性が大きく広がります。

一方で、資格取得には時間やコストがかかるため、戦略的な判断と計画が欠かせません。自分にとって最適な道を選ぶためにも、経験豊富なキャリアエージェントの支援を受けることが成功の近道です。自分の未来に真剣に向き合いたい方は、ぜひVRPパートナーズにご相談ください。あなたの可能性を広げる一歩が、きっと見つかるはずです。

コラム一覧へ戻る

求人の紹介をご希望の方

人材ビジネス20年以上の経験を有するプロが
あなたの転職をサポートします。

無料
転職支援サービスのお申し込み