投稿日:2025.07.14/最終更新日:2026.01.05

公認会計士

「公認会計士は食えない」という噂は本当?理由や食える会計士になるコツ

「公認会計士は食えない」という噂は本当?理由や食える会計士になるコツ
「公認会計士になれば一生安泰」

そんな時代は過去のものになったと感じていませんか?

実際に監査法人で働く中で、「このままの働き方でいいのか」「将来、本当に食べていけるのか」と不安を抱える方は少なくありません。

SNSや一部のメディアでは「公認会計士は食えない」といったネガティブな情報も散見されるようになり、キャリアに悩む方にとっては無視できないテーマとなっています。



この記事では、「公認会計士が食えない」といわれる背景を正しく理解し、実際に“食えている”会計士に共通する特徴やキャリアの築き方を解説します。将来に不安を感じている方が、自分らしい働き方を見つけ、納得のいくキャリアを歩むためのヒントをお届けします。

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この記事の著者

VRPパートナーズ編集部

VRPパートナーズ 編集部です。アクチュアリー・公認会計士・税理士・IPOに関係する話題を配信していきます。日々の業務や転職にぜひご活用ください。

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公認会計士は食えないというのは本当?

結論からいえば、「公認会計士は食えない」というのは事実ではありません。

公認会計士という国家資格は依然として高い専門性と信頼性を持ち、企業からの需要も根強く存在しています。

特にFAS(Financial Advisory Services)領域やM&A、事業再生といった分野では、監査経験を活かして年収アップや裁量あるポジションを実現している事例も多く見られます。

にもかかわらず、「会計士はもう食えない」「資格を取っても将来が不安」と感じてしまう方が増えているのも事実です。特に監査法人で働く若手会計士の中には、キャリアの選択肢が見えず、漠然とした不安を抱えている方も少なくありません。

SNSや一部のメディアでは、「公認会計士=安定」という従来のイメージとは異なり、「競争が激化している」「稼げない」といったネガティブな声が目立つようになってきました。たしかに、独立開業後に顧客を獲得できず収入が安定しないケースや、監査以外の分野で評価されづらいといった課題も存在します。

しかし、そうした現実がある一方で、会計士として「どうキャリアを築くか」「どの分野で価値を発揮するか」によって、活躍の場と報酬は大きく変わります。問題は「食えない」ことではなく、「自分の強みをどう活かせばよいか」が見えていないことにあるのです。

公認会計士の平均年収

公認会計士の平均年収は、厚生労働省の「令和5年 賃金構造基本統計調査」によると約922万円とされており、全国の平均年収である約458万円と比較すると、非常に高水準です。

実際のデータで見ても「食えない」職業ではないことがわかります。

特に監査法人に勤務する場合、経験年数や役職に応じて年収は上昇し、マネージャークラスになると年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。

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公認会計士は食えないといわれる理由

平均年収が高くても「公認会計士は食えない」といわれる背景には、いくつかの社会的・構造的な要因があります。資格としての価値が低いわけではなく、一時的な制度の変化や職業イメージの変化が原因で、そうした印象が広がってしまった面があるのです。ここでは、その代表的な理由について詳しく見ていきましょう。

試験制度の変更で合格者が増えた時期があったため

公認会計士が「食えない」と語られるようになった背景の一つに、試験制度の改革による就職難の時期があります。2006年、公認会計士試験が短答式と論文式に分かれ、年間2回実施されるようになったことで、合格者が急増しました。

この結果、2007年から2010年ごろにかけては、合格者数が年間4,000人を超えた一方で、リーマンショック等の影響もあり、監査法人側の採用枠が追いつかず、「合格しても監査法人に就職できない」という状況が生まれました。

参考:公認会計士試験のバランス調整について

この影響で、「会計士=資格を取っても就職できない」「結局食えない」といったイメージが拡散されました。現在では試験制度も見直され、合格者数は2,000人台に落ち着いていますが、当時の記憶や報道の影響が根強く残っているため、未だに「食えない」という印象を持つ方が一定数いるのが実情です。

AIに仕事が奪われるという論文が発表されたため

もう一つの理由として、AI(人工知能)による職業の代替可能性に関する議論があります。2013年、オックスフォード大学の研究者によって発表された論文「The Future of Employment(雇用の未来)」では、会計監査の業務が将来的に自動化の対象となるとされ、多くの会計士に不安が広がりました。2015年のオックスフォード大学と野村研究所との共同研究でも、AIによって代替される可能性がある職種として「会計監査係員」がリストアップされています。

参考:日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に

確かに、定型的なデータ処理や仕訳業務はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)によって効率化が進んでいます。しかし、判断力や対人関係能力、ビジネス全体を俯瞰して戦略的な提案を行う力は、AIに代替されにくい分野です。とくにFASやM&A、事業再生、フォレンジック調査などにおいては、会計士としての分析力や実務経験が強く求められるため、むしろ活躍の場は広がっているともいえます。

公認会計士の仕事とAIの関連性については、以下の記事で詳しく紹介しています。

独立開業をした際に収入が安定しない可能性があるため

会計士の中には、監査法人で経験を積んだ後、独立を目指す方も多くいます。しかし、独立直後は顧客ゼロからのスタートとなるため、軌道に乗るまでに時間がかかり、収入が不安定になるリスクがあります。また、競争も激しく、税理士業務と兼ねて幅を広げる努力が必要です。

独立開業に失敗し、監査法人や企業への再就職を余儀なくされる例も少なくないため、「結局食えないのでは」という不安につながることもあります。ただし、これは独立に限った話であり、企業内での活躍やFAS領域への転身など、会計士としてのキャリアを活かせる選択肢は数多く存在します。

”食える”公認会計士の特徴

公認会計士は「食えない」と言われることもありますが、実際には安定した収入や高い年収を実現している方も数多く存在します。その違いは、単に資格の有無ではなく、「どのようにキャリアを構築しているか」にあります。ここでは、実際に“食えている”会計士に共通する特徴を見ていきましょう。

大手企業・大手監査法人に勤務している

安定した収入と待遇を得やすいのが、大手監査法人や上場企業に勤務する会計士です。特にBig4と呼ばれる4大会計事務所では、一定の年次を経れば年収1,000万円超も現実的であり、社内異動やFAS(Financial Advisory Services)部門へのキャリアチェンジといった道も開かれています。また、監査業務に限らず、IFRS対応、内部統制、IPO支援など高付加価値業務に携わることで、市場価値の高いキャリアを築くことが可能です。

特定の分野に精通している

監査や会計だけでなく、FAS領域、事業再生、フォレンジック、不正調査、税務、内部監査といった“専門性の高い”分野に特化している会計士は、市場ニーズが高く、高年収を実現しやすい傾向にあります。特にM&A支援やバリュエーションなどでは、会計士資格に加えて実務経験があることで即戦力として評価され、独立系FASやコンサルファームへの転職でも高い需要があります。

幅広い業務に対応できる

一方で、特定の分野に偏ることなく、柔軟に業務の幅を広げられる会計士も「食える」存在です。たとえば、監査だけでなく財務アドバイザリー、内部統制構築、経理・財務の高度化、IPO支援までカバーできる人材は、企業からの引き合いも強くなります。特に中堅・中小企業では、会計士に対して“なんでも相談できる”パートナーを求める傾向があるため、ジェネラリストとしての力が発揮される場面も多くなっています。

“食える”公認会計士になるためには?

今後のキャリアに漠然とした不安を抱えている方も、「自分は“食える会計士”になれるのだろうか」と悩むかもしれません。しかし、必要なのは特別な才能ではなく、「どのようにスキルを磨き、どんな方向に進んでいくか」という明確な方針と行動です。ここでは、“食える”公認会計士になるために重要な3つの視点を解説します。

継続的にスキルアップをする

会計士として生き残るためには、資格を取得した後も学び続ける姿勢が欠かせません。会計基準の変化や新しい法令対応はもちろんのこと、ExcelやBIツールなどの業務効率化スキル、英語力、さらにはプレゼンや交渉といったコミュニケーションスキルも求められます。実務に必要なスキルは常に変化しているため、勉強を怠らない姿勢が長期的な信頼と収入につながります。

公認会計士のスキルアップにつながる資格として、「税理士資格または行政書士資格」「米国公認会計士(USCPA)」を紹介します。

税理士資格または行政書士資格

税理士資格は、公認会計士が最も活かしやすい資格の一つです。

税務業務を担えるようになることで、監査に加えて顧問業務や税務相談、事業承継支援など幅広い案件に対応できます。特に独立を視野に入れている場合、安定した収益源を確保しやすい点が大きなメリットです。

一方、行政書士資格は、会社設立や許認可申請などの法務領域をカバーできるため、企業支援の付加価値を高められます。

米国公認会計士(USCPA)

USCPAは、国際会計やグローバルビジネスに強みを持つ資格として注目されています。IFRSや米国会計基準への理解が深まり、外資系企業や海外進出企業、国際案件に携わるチャンスが広がります。

また、英語力と会計知識を併せ持つ人材は希少性が高く、転職市場でも評価されやすい傾向があります。国内の監査・税務にとどまらず、コンサルティングやグローバル領域で活躍したい公認会計士にとって、USCPAはキャリアの選択肢を大きく広げる資格といえるでしょう。

米国公認会計士資格については、以下の記事で詳しく紹介しています。

得意分野を見つけて専門性を高める

「会計士は何でもできる」と思われがちですが、市場で評価されるのは「何が得意か」が明確な人です。たとえばM&Aのデューデリジェンスに特化した人材はFAS系ファームで重宝されますし、内部統制やガバナンスに強い人は事業会社のCFO候補としても活躍のチャンスがあります。幅広く経験を積む中で、自分が面白いと思える分野・評価されやすい分野を見極め、専門性を磨くことがキャリアの安定化と差別化に直結します。

キャリアパスに沿った転職をする

“食える”公認会計士になるためには、自分のライフプランと志向に合ったキャリアパスを描くことが不可欠です。現職に留まり続けることが最善とは限らず、FAS(Financial Advisory Services)やアドバイザリー業務に進む、事業会社で経営に近い立場を目指すなど、将来の選択肢を視野に入れた転職が重要になります。特に監査法人ではクライアントへのコンサル業務に制約があることから、「もっと深く企業支援に関わりたい」と感じた方にとっては、転職によるキャリアの展開が有効です。

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公認会計士が狙える転職先

公認会計士は監査法人以外にも多様な転職先があり、キャリアの選択肢は年々広がっています。会計・財務の専門知識に加え、論理的思考力や分析力を備えている点は、多くの分野で高く評価されています。

ここでは、公認会計士の強みを活かしやすく、年収アップやキャリアの幅を広げやすい代表的な転職先を紹介します。

FAS

FAS(Financial Advisory Services)は、M&Aや事業再生、企業価値評価などを支援する分野で、公認会計士との親和性が非常に高い転職先です。

財務デューデリジェンスやバリュエーション業務では、会計・財務の専門知識がそのまま強みになります。監査よりもスピード感と実務判断が求められるため、やりがいが大きく、年収水準も比較的高めです。

専門性を深めたい会計士にとって魅力的なキャリアパスといえます。

FASという職業について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームでは、経営戦略、業務改革、DX支援など幅広いテーマに携わることができます。公認会計士は財務視点での課題整理や数値分析に強く、クライアントの意思決定支援に貢献しやすい人材です。特に経営管理やガバナンス、内部統制領域では即戦力として期待されるケースも少なくありません。会計にとどまらず、ビジネス全体に関わりたい人に合った転職先です。

公認会計士からコンサルへの転職については、以下の記事で詳しく紹介しています。

公認会計士からの転職を成功させるには?

公認会計士からの転職を成功させるためには、「資格を持っていること」だけに頼らず、これまでの実務経験や強みをどのように活かせるかを明確にすることが重要です。

監査・税務・財務分析などの経験を、転職先の業務内容と結びつけて説明できると評価されやすくなります。また、会計以外のスキルを補完する姿勢も欠かせません。

FASやコンサル領域を目指す場合は、論理的思考力や課題解決力、コミュニケーション能力を具体的なエピソードで示すことが効果的です。キャリアの方向性を整理したうえで転職活動を進めることで、自分に合った環境を選びやすくなります。

公認会計士の転職については、以下の記事でも詳しく紹介しています。

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まとめ

「公認会計士は食えない」という言説は、制度変更や就職難の時期、AIの台頭といった特定の背景から生まれたものであり、資格そのものの価値が低下したわけではありません。実際には、スキルを磨き、専門性を高め、自分に合ったキャリアを選び取っている会計士は、今も十分に“食える”存在として活躍しています。

重要なのは、「何ができるか」ではなく「何に強みを持ち、どこで活かすか」を明確にし、継続的にキャリアをデザインしていくことです。監査法人にとどまるだけでなく、FASや事業会社、アドバイザリーなど多様な道を模索する中で、あなたにしかないキャリアがきっと見つかるはずです。

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