2025.08.22

公認会計士

公認会計士に必要なスキルとは?監査法人から次のキャリアを考えるヒント

公認会計士に必要なスキルとは?監査法人から次のキャリアを考えるヒント
公認会計士として活躍するには、会計や監査の専門知識だけでなく、業務やキャリアの方向性に応じたさまざまなスキルが求められます。

監査法人に所属している方や、資格取得後にキャリアを模索している方の中には、「このまま今の業務を続けてよいのか」と感じている方も少なくないでしょう。

この記事では、会計士に必要な基本スキルから、業務別・キャリア別に求められる力、さらにスキルを活かせる転職先の選択肢まで、分かりやすく解説します。

ご自身の強みを見直し、次の一歩を考えるきっかけにしてください。
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この記事の著者

VRPパートナーズ編集部

VRPパートナーズ 編集部です。アクチュアリー・公認会計士・税理士・IPOに関係する話題を配信していきます。日々の業務や転職にぜひご活用ください。

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この記事の監修者

熊谷 孝裕

公認会計士、コンサルタント、経理財務領域に特化した転職支援で24年の実績。Big4、独立系FAS、ファンド、事業会社などへの紹介に強み。アビタスでの子会社役員・事業責任者を歴任し、キャリア支援に従事。ヘッドハンティング会社での経験を経て、現在はVRPパートナーズにて会計士・経営層の転職支援を担当。

公認会計士に必要なスキル

公認会計士は、財務・会計の専門家として企業や社会に大きな信頼を寄せられる職業です。そのため、高度な専門知識はもちろんのこと、実務で活躍するには多角的なビジネススキルも不可欠です。ここでは、公認会計士として基盤となる3つのスキルを紹介します。

論理的思考力

会計士が日々直面するのは、膨大な数値や複雑な取引に基づく判断です。これらの情報を正確に理解・整理し、客観的な視点で結論を導き出すためには、論理的思考力が求められます。特に監査業務では、会計基準に照らした整合性や正当性を論理的に説明できることが重要です。

問題解決能力

実務では、予期しない事象や複雑なクライアント対応に直面することも多く、柔軟かつ的確に課題を解決する力が求められます。会計士は単なるルールのチェック役にとどまらず、事業全体を見渡したうえでリスクを予見し、改善策を提示できる存在であることが期待されます。

職業倫理と正確性

公認会計士にとって最も根本的かつ重要な資質が、職業倫理と正確性です。独立した立場から監査や助言を行う役割上、公正性や誠実性は何よりも重視されます。信頼に応えるためには、ミスを最小限に抑える正確な業務遂行が不可欠です。

業務別に見る必要スキルの違い

公認会計士の活躍フィールドは監査法人にとどまらず、FASやコンサルティング、独立開業まで多岐にわたります。業務ごとに求められるスキルも異なるため、自身の適性や志向に合った方向性を見極めることが重要です。

監査法人で求められるスキル

監査業務では、膨大な情報をもとに企業の財務情報の信頼性を確認するため、細部に注意を払う姿勢と、法規や会計基準に関する高い理解が求められます。また、チームでの作業が中心となるため、報告・連携・指導といった基本的なコミュニケーション力も不可欠です。

FAS・アドバイザリー業務で活かせるスキル

FAS(Financial Advisory Services)やアドバイザリー業務では、財務デューデリジェンス、バリュエーション、M&Aアドバイザリーなど、より専門的かつビジネス志向のスキルが必要です。クライアント企業の戦略や課題を理解した上で、的確にソリューションを提供できる能力が重視されます。監査経験を基盤に、仮説思考や資料作成スキルを強化することが転職成功の鍵となります。

独立開業で必要なスキル

独立後は、専門知識だけでなく「経営者」としての視点が求められます。営業力やサービス設計力、価格交渉力といったビジネススキルに加え、顧客との信頼関係を築く人間力も重要です。また、税務や法務、ITツールへの理解があれば、幅広いニーズに対応できる強みになります。

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公認会計士のキャリアアップに役立つスキル

監査法人をはじめとする専門職の現場では、会計士としての基礎スキルに加えて、キャリアアップに有利な付加価値スキルが注目されています。今後のキャリアの幅を広げるためには、こうしたスキルの習得や強化が不可欠です。

英語力と異文化理解

海外進出を視野に入れた企業やグローバルクライアントとのやりとりが増えている今、英語力は会計士にとって大きな武器となります。監査法人でも国際部門では英語での会話や資料作成が必須となる場面があり、特にTOEIC800点以上を求める求人も増えています。また、英語力だけでなく異文化への理解も、国際案件における信頼構築に役立ちます。

ITリテラシーとデジタル対応力

会計業務の自動化やDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で、ITリテラシーの高い会計士は重宝されます。Excelや会計システムの活用はもちろん、BIツール、RPA、Pythonなどのスキルを習得すれば、定型業務を効率化し、付加価値の高い分析や提案に時間を割けるようになります。今後のキャリアにおいては、デジタルスキルが差別化要因となるでしょう。

マネジメント・リーダーシップ

スタッフやチームを取りまとめる立場を目指すなら、マネジメント力やリーダーシップも欠かせません。部下の育成、予算や進捗の管理、クライアントとの折衝など、上位職になるほど求められるスキルの幅は広がります。論理的に指示を出し、相手のモチベーションを引き出すコミュニケーション力があるかどうかも重要な評価ポイントです。

公認会計士に必要なスキルを活かせるキャリアパス

これまで紹介してきたようなスキルを活かすことで、公認会計士は監査法人を超えた多様なフィールドでの活躍が可能となります。ここでは、具体的にどのような転職先があるのかを紹介します。

FAS(Financial Advisory Services)

FASは財務デューデリジェンスやバリュエーション、M&Aのアドバイザリー業務などを行う専門領域で、公認会計士の監査経験や財務知識が非常に重宝されます。特に論理的思考力や正確な数値分析能力が求められ、監査とは異なる角度から企業の価値評価や成長戦略に関与することができます。また、英語力があるとクロスボーダー案件での活躍も見込めます。

コンサルティングファーム

コンサルティング業界では、会計士の問題解決能力や業務改善の視点が高く評価されます。特に財務会計や内部統制、ガバナンス領域に強みを持つ会計士は、クライアントの経営課題に対して実行可能なアドバイスを提供することができます。マネジメントスキルやIT知識を掛け合わせることで、より広範なプロジェクトにも携われるようになります。

事業会社・スタートアップ

事業会社では経理・財務部門だけでなく、経営企画やCFOポジションでの登用も進んでいます。特にスタートアップ企業では、1人で複数業務を兼任するケースも多く、会計士としての知識に加えて、柔軟な対応力や主体性が重要になります。業績や成長性に応じてストックオプションなどが付与されるケースもあり、やりがいと報酬の両立を図ることができます。

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これまで紹介してきたように、公認会計士が持つスキルは多様なフィールドで高く評価されます。しかし、いざ監査法人以外に転職しようとすると、「自分のスキルは他業界でも通用するのか」「どのような環境が自分に合っているのか」など、不安や迷いを抱く方も少なくありません。

VRPパートナーズは、公認会計士に特化したキャリア支援を行う転職エージェントとして、これまで数多くの転職成功をサポートしてきました。FASやコンサルティングファーム、事業会社、スタートアップなど、監査法人を飛び出して新たなキャリアに挑戦したい方へ、的確なアドバイスと豊富な非公開求人をご提供します。

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まとめ

公認会計士に求められるスキルは、論理的思考力や問題解決力、職業倫理といった基本的な素養にとどまりません。業務の種類やキャリアステージに応じて、英語力やITリテラシー、マネジメント力といった応用的なスキルも重要になってきます。

監査法人に限らず、FASやコンサルティングファーム、事業会社など、会計士のスキルを必要とするフィールドは多岐にわたります。自身の得意分野や志向に合ったキャリアを見つけることが、長期的な活躍と満足度の高い仕事につながります。

もし現在の働き方に迷いや不安を感じているのであれば、専門エージェントであるVRPパートナーズにぜひご相談ください。あなたのスキルを最大限に活かすキャリアの選択肢を、共に探していきましょう。

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