投稿日:2025.02.03/最終更新日:2025.12.05

公認会計士

公認会計士からM&A業界への転職|失敗しないポイントなどを徹底解説

公認会計士からM&A業界への転職|失敗しないポイントなどを徹底解説
近年、M&A業界の需要が高まっており、公認会計士などの財務や会計の専門知識を持つ人材にとって新たなキャリアの選択肢として注目を集めています。特に、事業承継や企業間の成長戦略としてのM&Aの増加に伴い、業界全体の転職市場も活発化しています。

本記事では、公認会計士がM&A業界に転職する際のポイントやメリット・デメリット、必要なスキルなどを詳しく解説します。

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VRPパートナーズ編集部

VRPパートナーズ 編集部です。アクチュアリー・公認会計士・税理士・IPOに関係する話題を配信していきます。日々の業務や転職にぜひご活用ください。

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Table of Contents

M&A業界の転職市場の現状と動向

M&A市場は近年、大きな変化を続けています。中小企業の事業承継ニーズや、上場企業が成長戦略としてM&Aを活用する動きが強まり、取引件数は高水準を維持しています。その一方で、M&A人材の採用は依然として「狭き門」という側面を持ち、専門性を備えた即戦力の獲得を重視する企業が多いのが実情です。ここからは、M&A業界の転職市場をより詳しく見ていきます。

M&A業界の現状と転職動向

M&A業界は企業の再編や成長戦略が加速する中で需要が高まっており、ファーム・金融機関・事業会社のいずれでも採用は活発です。一方で、中途採用の転職難易度は高い傾向にあります。理由としては、M&A実務には高度な財務分析力・プロジェクトマネジメント力・コミュニケーション力が求められ、専門性の高い即戦力を求める企業が多いためです。

また、大手のアドバイザリーファームや投資銀行では、依然として少数精鋭採用が主流であり、求人の母数が少ないことも難易度の高い理由のひとつです。とはいえ、市場としては拡大傾向にあるため、専門スキルを持つ人材にとってはチャンスが広がっています。

未経験でM&A業界への転職は難易度が高い

未経験からM&A業界への転職は可能ではあるものの、基本的には難易度が高い領域です。これは、M&A業務が「財務×法務×戦略」の複合領域であり、即戦力性が強く求められるためです。

特に以下の経験が求められることが多いです。

  • 財務モデリング・バリュエーションの実務
  • 財務デューデリジェンス
  • コンサルティング経験
  • 投資銀行やPEファンドでの業務

そのため、未経験者がM&Aを目指す場合は、

まずは経理・財務・FAS・コンサルで経験を積み、段階的にキャリアアップするルートが一般的です。

公認会計士資格はM&Aへの転職に有利

公認会計士資格はM&A業界において明確な強みになります。

財務諸表の構造を深く理解していることに加え、監査を通じて企業実態を把握する力が身についているため、財務DDやバリュエーションといった基幹業務に早期から関わりやすいためです。

さらに、Big4や準大手での監査経験は、ロジカルな思考力やプロジェクト管理能力の証明として扱われることが多く、選考でも高く評価されます。実際にVRPパートナーズでも、会計士の方が未経験からFASやアドバイザリーへキャリアチェンジに成功する事例が数多くあります。

M&A業界への転職なら転職エージェントの利用がおすすめ

M&A業界は求められる専門性が高く、企業ごとに業務範囲や役割の違いが大きいため、個人だけで情報を集めて最適なキャリアを判断するのが難しい領域です。

そのため、転職を成功させるためには、M&A領域に詳しい転職エージェントを活用することが非常に有効です。

転職エージェントを活用すると、個人では得られない情報やサポートを受けられます。企業ごとの選考基準や内部事情、どの部門でどのような経験が積めるのかといった詳細な情報は、業界に精通したエージェントだからこそ共有できるものです。

また、書類添削や面接対策など、選考突破に必要な準備をプロの目線で整えられるため、転職活動そのものの負担を大幅に軽減できます。特にM&A選考では、過去の監査経験をどのようにアピールすべきか、ケース問題にどう向き合うべきかなど、事前準備の質によって結果が左右されやすいため、専門エージェントの伴走が大きな強みになります。

M&A業界の年収

M&A業界は専門性が高く、企業によって報酬体系も異なるため、年収には大きな幅があります。求人票や公開データを総合すると、業界全体の年収相場は次のイメージです。

仲介会社では、株式会社ストライクが700万円〜2,000万円、日本M&Aセンターホールディングスが500万円〜1,000万円といったレンジが提示されており、成果報酬が強いため年収が大きく伸びやすい傾向があります。実際に、公開されている平均年収では**M&A総合研究所が2,894万円、M&Aキャピタルパートナーズが4,537万円(中央値2,425万円)**と非常に高い水準になっています。

一方、FAS(Financial Advisory Services)では、専門性の高さに応じて700万円〜1,800万円前後が目安となり、管理職クラスでは2,000万円を超えるケースもあります。事業会社のM&A担当はより安定的で、600万円〜1,200万円前後が一般的です。

公認会計士の場合、財務DDやバリュエーションなどで早期に戦力化しやすいため、未経験でも700万円台〜のオファーが提示されることが多く、高い年収が期待できるでしょう。

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M&A業界の主な企業

M&A業界には、さまざまな企業が存在し、それぞれが異なる役割や特徴を持っています。公認会計士がM&A業界で活躍するためには、自分のキャリア目標や得意分野に合った企業を選ぶことが重要です。以下では、M&A業界の主な企業とその特徴について詳しくご紹介します。

FAS系コンサルティングファーム

FAS系コンサルティングファームは、公認会計士がM&A業務に関わる最有力の選択肢です。財務デューデリジェンスやバリュエーション、M&Aアドバイザリーなど、専門性の高い業務に携わることで、実務経験を積むことができます。

FAS系コンサルティングファームは、Big4系FASと独立系FASに分けられます。

監査法人

監査法人は財務諸表監査が主な業務ですが、近年では非監査業務が増加傾向にあります。特にM&Aに関連したアドバイザリー業務が注目されており、財務デューデリジェンスや買収後のPMI(Post-Merger Integration)支援なども行われています。監査法人でのアドバイザリー業務は、M&A実務の基礎を学ぶ良い機会となるでしょう。

会計事務所

中小企業を主なクライアントとする会計事務所でも、M&Aアドバイザリー業務は多く存在します。事業承継や事業再生を目的としたM&A案件に関わることで、地域密着型の実務経験を積むことができます。中小企業の課題解決に直接携わる環境は、実践的なスキルを磨く場として魅力的です。

一般企業(インハウス)

近年、上場企業などの一般企業で働く公認会計士も増えています。経理・財務や経営企画、内部監査といった業務のほか、M&Aや組織再編に関わる機会も多いです。特に、M&Aを積極的に行う企業では、買収戦略の立案や実務の中心を担うことができ、企業の内側からM&Aに携わる経験を得られます。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、買収側と売却側の間に立ち、案件の調整やマッチングを行うのが主な業務です。企業間の調整や条件交渉、業界特有のネットワークを活用したパートナーの紹介などを通じて、M&Aをスムーズに進める役割を果たします。このような企業でも、公認会計士の経験を活かせる場が多くあります。

主な企業としては、「株式会社日本M&Aセンター」「M&Aキャピタルパートナーズ株式会社」「株式会社ストライク」「株式会社M&A総合研究所」などが挙げられます。

M&A業界の業務内容

M&A業界での主な業務は、大きく「ソーシング」と「エグゼキューション」に分けられます。

ソーシングは、M&Aプロジェクトを始めるための準備段階で交渉を進めていくプロセスです。具体的には、以下のような流れが挙げられます。

  1. 新規顧客の開拓:候補企業をリストアップし、アプローチを行います。
  2. 売却・買収方針の決定:クライアントとともに戦略を立て、具体的な方向性を決めていきます。
  3. アドバイザリー契約の締結:M&A仲介会社とクライアントがM&Aサポートに関する正式な契約を結びます。

一方、エグゼキューションは交渉から契約書締結までの一連の流れを進めていくプロセスであり、以下のように進めていくのが一般的です。

  1. M&Aスキームの検討:交渉相手と具体的に進めていく方法を検討します。その後、株式譲渡や事業譲渡、合併など、それぞれの状況に合った対応を進めます。
  2. 企業価値評価:インカムアプローチやマーケットアプローチ、コストアプローチなどの方法で、売り手の企業の価値を見積ります。
  3. 交渉:売り手・買い手のマッチングを促し、両社の経営者同士で交渉を進めます。
  4. 基本合意の締結:交渉によってある程度条件が決まったら、現段階における合意内容を書面にて締結します。
  5. デューデリジェンスの実施:財務や法務、人事などの観点から買い手が売り手の企業に問題がないかといった調査を行います。
  6. 最終契約の締結:ここまでの流れで問題がなければ最終契約の締結をします。
  7. クロージング:最終契約書の内容を実行します。

これらの業務を通じて、M&Aアドバイザーはクライアントの戦略的な目標達成を支援し、円滑な取引を進めるための大きな役割を果たしています。それぞれの段階で異なる専門性やスキルが求められるため、アドバイザーとして多方面の知識と経験が必要不可欠です。

M&Aにおける公認会計士の役割については、以下の記事でも詳しく解説しています。

M&A仲介とFA・M&Aコンサルの違い

M&Aを進める際、M&A仲介会社やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)、M&Aコンサルタントといった専門業者に業務を依頼することが一般的です。それぞれの役割には明確な違いがあり、目的や依頼先の選定に影響します。

M&A仲介会社は、譲受企業(買収側)と譲渡企業(売却側)の間に立ち、両者に対して中立な立場で助言を行います。仲介会社は、双方の利益が最大化されるようにバランスを取りながらM&Aプロセスを進め、取引を円滑にする役割を担います。

一方、FAやM&Aコンサルタントは譲受企業または譲渡企業のいずれか一方の専属として活動します。FAはどちらかの専属であるため、クライアントの利益を最優先し、その利益を最大限に追求する戦略や助言を提供するのが特徴です。

M&A業界に転職するメリット

M&A業界は、高い専門性とスピード感を求められる一方で、キャリアの伸びしろが大きい分野です。財務・会計の知識を活かしながら、より経営に近い立場で仕事ができるため、公認会計士にとって魅力的な選択肢となります。ここからは、M&A業界で働くことで得られる主なメリットをご紹介します。

高収入を目指せる

M&A業界の大きな魅力の一つが、報酬水準の高さです。FASやアドバイザリーでは専門性に応じた待遇が設定され、仲介会社ではインセンティブによって年収が大きく伸びるケースも珍しくありません。努力や成果が明確に評価される環境のため、若いうちから高収入を狙える点は大きなメリットです。

専門性の高いスキルを身につけられる

M&Aは財務DD、バリュエーション、PMI支援など、幅広い専門領域を扱います。監査法人で培った財務知識をベースに、さらに高度な分析力やM&A特有の実務スキルを習得できるため、金融・コンサル領域でも通用する専門性が身につきます。ひとつの案件に深く関わる実務は、会計士のキャリアを大きく広げる土台になります。

市場価値の高いキャリアを築ける

M&A経験は企業の成長戦略に直結するため、どの業界でも高く評価されます。FAS、投資銀行、事業会社の経営企画、さらにはCFO候補など、次のキャリアパスが広がりやすい点も魅力です。専門性を持つ人材が不足している領域だからこそ、M&A経験は市場価値を大きく高める武器になります。

スピード感のある環境で成長できる

M&A案件は短期間で意思決定が進むことも多く、常に変化のある環境で業務が進んでいきます。経営者と直接関わる場面も多いため、判断力やコミュニケーション力が磨かれ、ビジネス全体を俯瞰する視点も自然と身につきます。スピード感のある環境が、自身の成長を加速させてくれるのもM&A業界ならではのメリットです。

M&A業界に転職するメリット

M&A業界に転職するメリットには、高収入の実現が挙げられます。M&Aのプロジェクトは高度な専門知識を要するため、報酬水準が高く設定されることが多いです。

また、経営者に近い視点で仕事ができ、企業の成長や変革に直接携われるので、大きなやりがいを感じやすいのもM&A業界の魅力の一つです。

さらには、M&A業界では財務分析や戦略的思考、交渉力などの多様なスキルを磨けるため、将来的なキャリアパスも広がるでしょう。

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公認会計士がM&Aに携われる求人例

【独立系コンサルティング会社】事業再生コンサルタント
●年収:700万~1000万
●業務内容:
事業・財務の一体的な再構築支援を通じて、企業の収益力強化・財務状況の適正化を実現し、再生に向けたスキームの構築から各種実行手続きまで総合的に支援。
<具体的な業務内容>
・事業・オペレーション・財務の再構築(リストラクチャリング)支援
・課題把握のためのDD及びキャッシュフロー改善支援
・事業再生計画・構造改革プラン策定支援

●おすすめポイント:
・「財務と事業の両輪」でのアプローチを強みとして、中堅中小企業から大企業に対して幅広いサービスを提供
・経営者に寄り添って経営の視点で考えること、机上の空論にならないようにレポーティングだけではなく「実行支援」を重視したサービスを提供
・海外にも拠点を有する事から現地の市場調査、現地企業との資本提携・業務提携を提供するなどアジア、北米、ヨーロッパなど日本企業の海外展開を支援
【Big4系FAS】事業再生アドバイザリー
●年収:700万~1200万
●業務内容:
・事業計画分析・事業ポートフォリオ評価・戦略策定支援
・グループストラクチャー再編支援
・財務リストラ・資本政策策定・実行支援
・グループガバナンス・モニタリング構築・実行支援(資金繰り管理、予算、管理会計、内部監査等)
・ステークホルダー対応支援(金融機関、株主、当局、監査人等)
・(一事業法人だけにとどまらない)複数プレーヤーを巻き込んだ業界再編
●おすすめポイント:
クライアントを深刻な危機から早期に脱却させ、常態に回復させることをミッションとしており、評論家的分析にとどまらず、現場にハンズオンで入り、泥臭く実行を支援しています 。
【独立系コンサルティング会社】M&Aアドバイザリー
●年収:700万~1000万
●業務内容:
■ファイナンシャルアドバイザリー業務(FA業務)
上場会社に特化したコンサルティングサービスを提供
・M&A、MBO、第三者割当増資など、株式/資本の移動を伴うサポート
・スキーム検討支援、交渉に関するアドバイス、ドキュメンテーション支援、利害関係者調整に関するアドバイスなど、取引全般的なアドバイス実行
■バリュエーション業務
・株式価値などの評価業務の実施
・交渉/利害関係者調整上のアドバイス
●おすすめポイント:
・大手FASとは違い、バリュエーションやFA業務などのサービスラインを固定せずに幅広い業務に関わる事が出来るため、ディール全体を見通す経験・スキルが身につく
・金融機関とのパイプも太く、過去の実績・ノウハウは豊富
・未経験領域にも早くから土俵に立たせる風土がある為、実力をつける機会は多い
・現在は少人数ながら今後、大幅な増員を計画しており、組織の成長と共に個人の成長を実感できる
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M&A業界に転職するデメリット

M&A業界は成長機会が多い一方で、求められるスキルの幅が広く、成果に対する責任も大きい領域です。挑戦する価値は十分にありますが、転職前に「どのような負荷が発生するか」を理解しておくことで、入社後のギャップを減らせます。ここでは、代表的なデメリットを紹介します。

専門知識の習得に時間がかかる

M&A業務では、財務DDやバリュエーション、契約スキーム、法務・税務・人事など、複数の領域を横断する知識が求められます。監査経験がある方でも、M&A特有の判断や実務の進め方を理解するまでには一定の時間が必要です。案件のスピード感に追いつくまで、自ら学びながらキャッチアップしていく姿勢が欠かせません。

成果主義のため評価がシビア

M&A業界は、成果が評価に直結しやすい環境です。特に仲介会社では、案件の成約数や売上がそのまま報酬に反映されるため、目標達成へのプレッシャーが強くなりやすい傾向があります。FASでもプロジェクトの品質や納期、クライアント満足度が厳しく見られるため、常に高いパフォーマンスが求められます。やりがいは大きいものの、安定性を重視する方には負荷を感じる場面もあります。

公認会計士がM&A業界に転職するために身につけたいスキル

公認会計士がM&A業界に転職する際、身につけておくべきスキルとして以下の5つが挙げられます。

  • M&Aへの転職に有利な資格を取得する
  • M&A業界の業界知識
  • 英語力
  • プレゼンテーション・営業の能力
  • ストレス耐性

ここでは、それぞれのスキルの特徴を詳しく解説します。

M&Aへの転職に有利な資格を取得する

M&A業界では、公認会計士資格は最も評価される資格のひとつです。

財務諸表に対する深い理解はもちろん、監査を通じて企業実態を見抜く力があるため、財務DDやバリュエーションなど基幹業務を早期に任せやすいと判断されます。M&Aに挑戦したい公認会計士にとって、この資格は大きな強みになります。

また、追加で取得すると有利に働く資格としては、USCPAや証券アナリスト(CMA) が挙げられます。クロスボーダー案件を扱う企業の場合、USCPAによって国際会計基準への理解を評価されることがあり、金融領域の理解を深めたい方には証券アナリストが役立ちます。必須ではありませんが、キャリアの幅を広げたい方にとっては、転職前の準備として効果的です。

M&A業界の業界知識

M&A業界に転職するには、監査業務で得た財務知識に加えてM&A特有の業界知識を身につけることが重要です。具体的には、デューデリジェンスの流れや企業価値評価、合併や買収の手続きなど、M&Aに関連する業務フローを理解することが必要です。

これにより、転職直後でも業務へスムーズに適応でき、クライアントやチームメンバーと共通の知識を持ってプロジェクトを進められるようになります。

英語力

公認会計士がM&A業界に転職する際、英語力は必須ではありません。ただし、FASや投資銀行、外資系企業の場合、クロスボーダー案件や海外クライアントとのやり取りで英語が求められることがあります。

英語力を磨いておくことで、転職後にグローバル案件を担当したり、海外勤務の機会を得るなど、キャリアの幅を広げることが可能です。M&A業界での可能性を広げるためにも、英語力を身につけておくことは大いに役立つでしょう。

プレゼンテーション・営業の能力

M&A業界では、顧客に対して提案や進捗報告を行う機会が頻繁にあります。そのため、プレゼンテーション能力や営業スキルが求められます。

監査業務とは異なり、クライアントに対してプロジェクトの価値や成果を分かりやすく説明し、信頼を築く能力が重要です。それだけでなく、顧客を獲得するための営業活動や関係者の意見を調整する交渉力を求められる場面も多くあります。

ストレス耐性

M&A業界は多忙な環境であることが多く、プロジェクトの締切が迫る場面では高いストレスがかかることも少なくありません。公認会計士として監査法人で働く中で鍛えられたプレッシャー耐性は役立ちますが、M&A業界ではさらに迅速な対応と決断が求められます。

精神的な強さと適応力を持ち、タイトなスケジュールや予測できない問題に対しても柔軟に対応できるストレス耐性が重要です。

M&A業界への転職を失敗しないためのコツ

公認会計士がM&A業界への転職を失敗しないためには、以下のポイントを押さえておくことをおすすめします。

  • 業界・企業研究を徹底する
  • 自分の強み・キャリアプランを明確にする
  • 面接対策を行う
  • 転職エージェントを活用する

ここでは、転職を失敗しないためのコツを具体的に紹介します。

業界・企業研究を徹底する

M&A業界は企業ごとに業務内容や業務スタイルが異なるため、転職前に業界全体の動向やターゲット企業の特徴をしっかりと理解することが重要です。具体的には、企業文化や業務プロセス、クライアント層などを事前に調査し、自分のスキルや働き方に合った企業を選べるようにするのが大切です。

監査法人で培ってきた経験をどうM&A業務に生かせるかを見極めるためにも、業務内容を徹底的にリサーチしましょう。

自分の強み・キャリアプランを明確にする

M&A業界への転職を考える際、自分の強みやスキルを具体的に整理し、どのようなキャリアを築きたいかを明確にしておくこともポイントです。監査法人で培った財務分析能力や会計知識をどのようにM&Aの案件に適用できるかを具体的に示せるようにしましょう。

また、将来的なキャリアプランを立てておけば面接での説得力が増し、自信を持って志望動機を伝えられるようになります。

面接対策を行う

M&A業界の面接では、専門的な質問やケーススタディが出題されることが多いため、面接対策は必須です。「監査法人での実績をM&Aのプロジェクトにどのように役立てるか」など、具体的なエピソードとともに説明できるよう準備をしておきましょう。

また、プレゼンテーション能力やコミュニケーションスキルをアピールするため、ロールプレイや模擬面接を活用して実践的な対策を行うことも効果的です。

転職エージェントを活用する

M&A業界の転職は専門的な知識が求められるため、公認会計士の転職に特化した転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。転職エージェントは業界の動向や企業ごとのニーズを把握しているので、的確なアドバイスや面接対策、履歴書や職務経歴書の添削など、転職活動全体をサポートしてくれます。

また、転職先との交渉や条件面の調整も代行してくれるため、効率的に転職活動を進められるでしょう。

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公認会計士からM&A業界で活躍したいと考えている場合は、VRPパートナーズにお任せください。VRPパートナーズは、アクチュアリーや会計士、税理士、財務・管理・CFOなどの管理系スペシャリストの転職支援に特化したエージェントです。 

M&A業界の最新動向や各企業の詳細な情報を把握しており、転職者一人ひとりが持つキャリアプランに最適な求人を紹介いたします。

また、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策など、転職活動全般にわたるサポートを提供し、皆様が後悔のない転職を実現できるような支援も行っています。M&A業界への転職を考えている公認会計士の方は、ぜひ一度VRPパートナーズにご相談ください。

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M&A業界への転職事例

M&A業界は、公認会計士や税理士など、専門資格を持つ方にとって魅力的なキャリアパスの一つです。

以下では、実際にVRPパートナーズで支援を行い、大手監査法人からM&A業界への転職を成功させた事例を通じて、どのような道筋でキャリアアップを実現したのかをご紹介します。

大手監査法人からFAS業界への転職事例

監査経験を活かして、FAS業界へ転職された20代後半の男性の事例です。

転職前:大手監査法人/監査部門/年収900万円

転職後:BIG4系FAS会社/ミドルマーケット部門/年収950万円

この方は、先輩会計士が独立系FAS会社へ転職されていたという経験もあり、中小のFAS会社で幅広い経験を積みたいという希望がございました。

弊社では、独立系から大手FAS会社まで複数社をご紹介し、BIG4系FAS会社でもミドルマーケット向けにサービスを提供している部門であれば幅広い経験を積むことができるとご提案させていただきました。

当初希望で合った独立系FASと同時並行で選考を進めた結果、最終的にはBIG4系FASでしっかりと専門性を身につけ、サービスラインをまたいだ経験を積むことに魅力を感じていただき、転職を決断されました。

準大手監査法人からFAS会社への転職事例

こちらも、監査法人の経験を活かしてFAS会社へ転職された事例です。

転職前:準大手監査法人/スタッフ/650万円

転職後:BIG4系FAS会社/財務アドバイザリー(コンサルタント)/700万円

この方は、準大手監査法人で2年間の監査経験とインチャージのご経験をされており、学生時代からの目標だったM&A業界への転職をご希望されていました。

学生時代にUSCPAの取得もされていたため、新卒でM&A業界に行くよりも、あえて準大手の監査法人で実務経験を積み、米国証券アナリストの資格も継続されていました。

監査経験者は財務DDやバリュエーション業務を希望されることも多いですが、お客様の希望に合わせサポートし、見事財務アドバイザリーとしての転職を成功されました。

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まとめ

M&A業界への転職は、公認会計士としてのキャリアをさらに高める絶好の機会です。監査法人で培った会計や監査の知識を生かし、M&A業務ではより戦略的かつ幅広いビジネススキルが求められます。

業界知識や英語力、営業力などのスキルを磨きつつストレス耐性も高めておき、入念な業界・企業研究と面接対策を行うことで転職成功率がアップするでしょう。VRPパートナーズでは、転職者のニーズや要望に合わせたサポートを提供しているので、確実な転職を目指したい場合はぜひ一度VRPパートナーズの利用をご検討ください。

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