投稿日:2026.04.22/最終更新日:2026.04.27

公認会計士

監査法人の離職率は高い?実態と理由を解説|公認会計士が長く働くための選択肢とは

監査法人の離職率は高い?実態と理由を解説|公認会計士が長く働くための選択肢とは
監査法人に勤める中で、「このまま続けていいのだろうか」「他業種でのキャリアはどうなんだろう」と悩んでいませんか?特に若手公認会計士の間では、監査法人の離職率の高さが気になり、将来の働き方を見直す人が増えています。

本記事では、監査法人の離職率の実態やその理由、よくある転職タイミングを解説するとともに、長く働けるキャリアの選択肢について紹介します。
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VRPパートナーズ編集部

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監査法人の離職率はどれくらい?

監査法人は公認会計士としてのキャリアの出発点である一方、離職率が高い業界としても知られています。実務経験を積むために多くの若手会計士が入社しますが、一定期間を経て転職を検討する人が多いのが実情です。

特に20代後半〜30代前半にかけてキャリアの方向性を見直すケースが目立ち、「長く働ける環境か」という観点で離職率を気にする人が増えています。

監査法人の離職率の実態

監査法人の離職率は、一般的に「7年以内に50%以上が離職する」と言われており、非常に高い水準です。入所後3年で実務要件を満たしたタイミングや、シニア・マネージャー昇格前後での離職が多い傾向にあります。特に繁忙期の長時間労働や業務のルーティン化により、キャリアに疑問を感じる人が増え、結果として転職を選択するケースが多くなっています。

若手会計士の離職が多い理由

近年の若手会計士は、「激務でも成長のために耐えるべき」という価値観に縛られにくく、ワークライフバランスを重視する傾向があります。監査法人の長時間労働や繁忙期の負担に疑問を感じ、早期に転職を検討するケースが増えています。

また、事業会社の経理・財務やコンサル、FASなどキャリアの選択肢が広がっていることも大きな要因です。

資格を活かしつつ働き方を改善できる環境があるため、あえて監査法人にとどまらない判断をする若手が増えています。

監査法人でよくある「辞めるタイミング」

監査法人では、キャリアの節目ごとに離職が発生しやすい傾向があります。特に資格取得や昇進といったタイミングは、自身の市場価値や今後の働き方を見直すきっかけになります。「このまま監査を続けるべきか」「他の分野に挑戦するか」と悩み、転職を選択する会計士が多いのが特徴です。

ここでは代表的な離職タイミングを解説します。

修了考査後

修了考査に合格し、正式に公認会計士として登録できるタイミングは、大きな転機です。この段階で資格面の制約がなくなるため、転職の自由度が一気に高まります。

監査業務にやりがいを見出せない場合や、働き方を見直したいと考える人は、このタイミングで事業会社やコンサルへの転職を選ぶケースが多く見られます。

入社3年目前後

入社3年前後は、実務経験要件を満たす時期であり、最も転職が活発になるタイミングの一つです。基礎的な監査スキルを身につけ、市場価値が一定程度評価されるため、他業界でも通用する会計士人材になるためです。一方で、監査業務の単調さや繁忙期の負担に不満を感じやすく、「このまま続けるべきか」と悩み、キャリアチェンジを決断する人が増えます。

入社7年前後(マネージャー前後)

入社7年前後は、マネージャー昇格を控えた重要な分岐点です。このまま監査法人でキャリアを積み続けるか、それとも外部に活躍の場を移すかを真剣に考える時期になります。

責任の増加やマネジメント業務への適性に悩む人も多く、負担の大きさから転職を選ぶケースも少なくありません。一方で、このタイミングは高年収ポジションへの転職も狙いやすい時期です。

監査法人の離職率が高い主な理由

監査法人の離職率が高い背景には、単一の理由ではなく複数の要因が重なっています。特に若手会計士にとっては、働き方・仕事内容・将来性といった観点で不安を感じやすく、それが転職意向につながります。

ここでは、実際によく挙げられる代表的な理由について解説します。

長時間労働・繁忙期の負担

監査法人の大きな特徴として、繁忙期の長時間労働が挙げられます。特に監査法人の業務量が増える4月中旬~6月上旬は連日の残業や休日出勤が続くこともあり、心身ともに負担が大きくなりがちです。

若手のうちは裁量も限られるため、業務量に対するコントロールが難しく、「この働き方を続けられるのか」と疑問を感じて離職を検討するケースが多く見られます。

業務の単調さ・キャリアの不安

監査業務はルーティン化しやすく、同じような作業の繰り返しにやりがいを見出せない人も少なくありません。特に若手のうちは限定的な業務に従事することが多く、スキルの広がりに不安を感じやすい傾向があります。

その結果、「このまま監査だけでキャリアが通用するのか」と将来への不安が高まり、転職を考えるきっかけになります。

年収の伸び悩み

監査法人は安定した給与体系である一方、若手〜中堅層では年収の伸びが緩やかに感じられることがあります。特に業務負荷の高さと比較した際に、報酬に対する納得感を得にくいと感じる人も多いです。一方で、コンサルや事業会社では同年代でも高年収が期待できるケースがあり、こうした外部との比較が転職意欲を高める要因となります。

人間関係・評価制度の課題

監査法人ではチーム単位での業務が基本となるため、人間関係の影響を受けやすい環境です。上司やクライアントとの相性によってストレスを感じるケースもあります。

また、評価制度についても「何が評価されているのか分かりにくい」「努力が報われにくい」と感じる声があり、不満につながることがあります。こうした環境面の課題も離職の一因です。

離職率が高い監査法人・チームの特徴とは?

監査法人はどこも忙しいイメージがありますが、その中でも特に離職率が高い組織にはいくつかの共通した特徴があります。

  • 慢性的な人手不足

常に人が足りていない状態では、一人あたりの業務負担が増えやすく、長時間労働が常態化します。結果として疲弊しやすく、離職につながる悪循環が生まれやすい環境になります。

  • 教育・フォロー体制が不十分

新人や若手への指導が十分でない場合、業務の理解が進まずストレスを感じやすくなります。また、質問しづらい雰囲気やレビュー不足も成長機会の損失につながり、離職の要因となります。

  • 評価・昇進の透明性が低い

どのように評価されているのか分からない、昇進基準が不明確といった環境では、モチベーションが維持しづらくなります。努力が正当に評価されないと感じると、より良い環境を求めて転職を考える人が増えやすくなります。

監査法人に残るべき?転職すべき?

監査法人に残るか、転職するかは多くの会計士が悩むテーマです。どちらにもメリットがあり、自身の価値観やキャリア志向によって最適な選択は異なります。重要なのは、「なんとなく続ける」「勢いで辞める」のではなく、自分がどんな働き方・キャリアを実現したいのかを明確にしたうえで判断することです。

監査法人でキャリアを積むメリットと他業種に転職するメリットを、以下で整理します。

監査法人でキャリアを積むメリット

監査法人に残る最大のメリットは、専門性を高められる点です。大手企業の監査に携わることで、会計・内部統制・ガバナンスに関する深い知識が身につきます。また、昇進すればマネジメント経験も積めるため、市場価値の高い人材へと成長できます。

ブランド力のある監査法人での経験は、その後のキャリアにおいても強い武器になります。

他業種に転職するメリット

一方で、他業種へ転職することで働き方やキャリアの幅を広げることができます。事業会社では経理・財務として事業に深く関わる経験ができ、コンサルやFASではより戦略的な業務に携われます。

また、監査法人と比較してワークライフバランスが改善されるケースも多く、長く働きやすい環境を求める人にとっては大きな魅力です。

公認会計士が転職で選ぶ主なキャリアパス

公認会計士は専門性の高さから、転職市場において幅広いキャリアパスを選択できるのが特徴です。監査法人での経験をベースに、より事業に近いポジションや高付加価値な業務へとシフトするケースが多く見られます。

ここでは、特に人気の高い代表的な転職先を紹介します。

事業会社(経理・財務)への転職

事業会社の経理・財務ポジションは、最も王道のキャリアパスの一つです。監査する側から、企業内部で数字を作る側へと立場が変わり、より事業に近い視点で業務に関われます。

決算業務や資金管理、経営管理など幅広い経験を積めるほか、比較的ワークライフバランスが整いやすい点も魅力です。長期的に安定して働きたい人に向いています。

コンサル・FASへの転職

コンサルティングファームやFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)への転職は、より専門性と高年収を求める人に人気です。M&A支援やデューデリジェンス、事業再生など、企業の意思決定に深く関わる業務に携われる点が特徴です。

監査で培った会計知識を活かしつつ、よりダイナミックで付加価値の高い仕事に挑戦できます。

監査法人からFASへの転職については、以下の記事で詳しく紹介しています。

ベンチャー・スタートアップへの転職

ベンチャーやスタートアップへの転職は、成長環境で裁量を持って働きたい人に適した選択肢です。経理・財務にとどまらず、管理部門全体を幅広く担うケースも多く、スピード感のある環境で経験値を高められます。将来的にCFOを目指したい人にとっても有力なキャリアパスであり、事業の成長を間近で実感できる点が魅力です。

定着率を重視した転職を成功させるポイント

転職後に「思っていた環境と違った」と後悔しないためには、定着率を意識した企業選びが重要です。年収や知名度だけで判断するのではなく、実際に長く働ける環境かどうかを見極めることがポイントになります。事前の情報収集や面接での確認を徹底することで、ミスマッチを防ぐことができます。

企業の離職率・働き方を見極める

応募企業の離職率や働き方は、必ず事前にチェックしておきたいポイントです。公式情報だけでなく、転職口コミサイトや現職者・元社員の声を参考にすることで、リアルな実態を把握できます。

特に残業時間や有給取得率、離職理由などは、入社後の働きやすさに直結するため、複数の情報源から総合的に判断することが重要です。

面接での「逆質問」

面接では企業からの質問に答えるだけでなく、自分からも積極的に質問することが大切です。例えば「チームの平均残業時間」「評価制度の具体的な基準」「直近で退職した方の理由」などを聞くことで、内部の実態が見えてきます。

逆質問を通じて働くイメージを具体化し、自分に合った環境かどうかを見極めましょう。

転職エージェントの活用

会計士特化の転職エージェントを活用することで、一般には公開されていない内部情報を得られる可能性があります。企業ごとの離職率や職場環境、実際の働き方など、リアルな情報をもとにマッチ度の高い求人を紹介してもらえるのが強みです。

また、選考対策や条件交渉のサポートも受けられるため、効率的かつ納得感のある転職を実現しやすくなります。

公認会計士の転職には「VRPパートナーズ」

監査法人からの転職を検討する公認会計士には、会計士特化の転職エージェント「VRPパートナーズ」が最適です。業界に精通したコンサルタントが、離職率や働き方といった内部情報まで踏まえたうえで、最適な求人を提案します。

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まとめ

監査法人は公認会計士の登竜門である一方、離職率が高い業界でもあります。特に実務経験を満たす3年前後や修了考査後、マネージャー前後といった節目で転職を考える人が多く見られます。その背景には、長時間労働や業務の単調さ、将来のキャリア不安などが挙げられます。

一方で、公認会計士は事業会社やコンサル、FASなど多様なキャリアパスを選択できる強みがあります。重要なのは、自分にとって無理なく長く働ける環境を選ぶことです。そのためには、企業の離職率や働き方を見極めるとともに、会計士特化の転職エージェントを活用することが有効です。

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